ユニカル幼稚園では、相撲の勝ち抜き戦を毎朝、やっています(やっていました)。これは、プロゴルファー横峯さくらさんの伯父・横峯吉文さんの、鹿児島で運営する幼稚園のヨコミネ式教育法から学びました。「相撲の強さで順位がつくと、子どもたちは喧嘩をしない」というのです。ユニカル幼稚園でも、毎日、喧嘩は絶えません、特に男の子たちは。とはいえ、喧嘩がなくなるからといって順位をつけたら、トップの子どもが威張り散らすのではないか。そもそも子どもたちに順位をつけていいのだろうか。私も、ラクナースもとても懐疑的でした。
直接、宮崎県の幼稚園へ行く機会はつくれなかったので、著書を何冊も読み、DVDも観て、東京近郊でヨコミネ式を取り入れている幼稚園を見学し、私たちなりに学んでユニカル幼稚園にも取り入れてみました。そうしたら‥‥、その効果は絶大でした!
「順位をつける」といっても、毎朝行うので、トップは日々入れ替わります。私たちもトップが固定されないように、「もっと腰を入れて!」「足を踏ん張って!」と、技をやコツを伝えて二番手、三番手を応援します。また、負けが続かないように、対戦相手を操作したり、敗者復活戦を増やしたり、実はスタッフ側の “仕掛け” にポイントがあるのですが。
こうして力の関係がはっきりすると、本当に喧嘩がゼロになりました。つまり、喧嘩は力の強さを表現するための、ただのツールだったのです。ほかに力を見せる場があれば、喧嘩をする必要はないのです。
といって、トップグループが威張り散らすかというと、そうではないのです。“自分は強い” という周知の事実があるので、それ以上に威張る必要がないのです。逆に、「少し待ってくれる?」と言うと、自ら待つことや、譲ることができるのです。さらに、小さい子どもたちを助けたり、面倒をみたり、余裕のある行動がとれるのです。これには、私も、ラクナースもびっくり。
相撲の勝ち抜き戦は、「力の強さ」のアピールではなく、強いと認められることが、行動や心の余裕へとつながっていきました。健全な子ども社会を構築していくための、大きなきっかけとなりました。
ラクナースが他界してしまった今、相撲を指導できるスタッフがいません。どなたか来ていただけませんか? 鉄棒、縄跳びの指導スタッフも同時募集中です。