前回、立体作品は、手で触れて作ることができる「形」と同時に、「空間」を作ることができる、と書きました。
今日は、どういう「形」を求めて制作をしているか、という話です。
「形」
平面も立体も嘘から。
“三次元を二次元にしているのだから、そこには必ず嘘が必要。”
これは大学受験時代、予備校でデッサンを学んでいる時に言われた言葉です。
見たままを描いてもダメなんだ、と。
まさに立体に関しても言える事だと思っています。素材が変われば見え方も変わる。動物の形をスキャンして3Dプリンターで出力したとして、それは造形的に魅力的な形とは限らない。
そして何より、私は存在する動物のそのままを作りたい訳じゃない。
生きものの形は生きるための形。
では造形として、魅力的な形を、どう表現できるのか。
植物との融合はその手段の一つです。植物と合わせることで、生きものの力強さ、美しさ、儚さをカタチとして表現する。
余談ですが、私は「動物」好きではなく「動物のフォルム」好きです。触れるより見ている方が好きです。
さて、そんな想いのもと制作している、様々な生き物モチーフの作品。
お気づきでしょうか。
「ヤギ」だけやたらヤギではないんです。
どういうことかと言いますと、
ねこ
オオカミ
鶏(東天紅鶏)
カエル(ヒキガエル)
・・・ヤギ?
馬
文鳥
ヒツジ
・・・。
はい。もちろん他のモチーフも、本物ではない造形としてのカタチを考えて作っているので、そのままという訳ではありませんが、ヤギだけデフォルメがすごいんですね。
これはもう、山羊蔵たる所以と思ってください。
角を枝分かれさせるとシカ疑惑もありますが、これが鹿かというとそれも微妙なところですしね。まぁモチーフなんてなんでもいいんです。
ヤギでもシカでもない、山羊蔵のヤギ?をこれからもよろしくお願いします。