2021/08/08 10:28
「桃と桜」は全国の聞こえない子どもを持つ親へ送る作品でもあります。
私の母は私を一人で育てながら花を愛していました。
母にとって花は癒しそのものでした。
家の周りには花がたくさん咲いていました。
朝、起きて花を眺めていた母。花に手を触れ、花に声をかける。
私のことをある花にたとえていました。
ある花とは?
聞こえない私に言葉を覚えてもらいたくて、
この花を庭に植えた。
そのエピソードをあなたに聞かせてあげたい。
春がくれば春に咲く花を覚えさせられる。
夏がくれば夏に咲く花を覚えさせられる。
秋がくれば秋に咲く花を覚えさせられる。
冬がくれば冬に咲く花を覚えさせられる。
繰り返し、母は私にいろんな花を年中、語るのだ。