現在までに5名の方からご支援をいただきました。ありがとうございます。
何名かから針鼠書房の名前の由来を聞かれたので、今回はその話を。
民間図書館の蔵書管理
約15年前に民間図書館を作った時、どのように貸出し管理をするかいくつかの方法を検討しました。エクセルやアクセスでの貸出台帳を作るところからスタートしたのですが、いずれにせよ借りる人についても、貸し出す本についてもそれぞれ番号をつける事になります。
そこで、民間図書館の初期の蔵書管理方法は、紙のスタンプカードに利用会員番号を付与することと、本のジャケットと本体にそれぞれ蔵書印と番号を押印し、本を貸し出す際にはジャケットを外し、紙のブックカバーをかけて貸し出すことで、対称するジャケットが物理的に貸出票として残るとともに、ブックカバーで本を守りながら、かつ広告を印刷することで収入減にもなるという、自分で言うのもなんですが無駄の少ない画期的な方法でした。
蔵書印から蔵書シールへ
図書館の利用が伸びて貸出しの数が増えてもジャケット管理方式は上手くいったのですが、ある時に限界を迎えます。図書館の数が増え、どこで借りてどこでも返せるようにした事で物理的な方法が難しくなったことです。
そこで、各館の蔵書検索と貸出し管理のために、「船橋の地域情報サイト まいぷれ」内に蔵書検索フォームを公開してもらい、スタッフ用の管理システムもブラウザーベースで開発してもらいました。どこで借りてどこで返してもOK、全館の蔵書検索もワンストップでできる。思い付きで始めたボランティア図書館も、少しずつ図書館らしくなっていきます。
民間図書館4号店の「きたなら1号公園前図書館」の開設時には、開架している蔵書が1万冊を超えました。このころになると寄贈も安定的に増え、蔵書登録が追い付かなくなります。より効率的な蔵書登録と、管理の質を上げるために利用カードも蔵書もバーコード式に切り替えます。このバーコードの蔵書シールが、細かい改善は度々入るも、現在まで続く蔵書シールです。
蔵書シールと蔵書票
さて、民間図書館ではバーコード式蔵書シールにて本の管理をしていますが、公立の図書館の多くも同じ形式が多いと思います。学校図書館などでは蔵書印を使っているところもありますが、僕らがとってきた方法は、現代において一般的な蔵書管理方法です。
ところで、今ほど出版技術が発達せず、紙そのものの価格も高かった昔は、どのように本の管理をしていたのでしょうか?いろいろな方法があったかと思いますが、その一つが蔵書票です。みなさん、蔵書票ってご存じですか?
日本書票協会 The Nippon Exlibris Association
詳しくは上記のサイトのほか、ぜひ色々と調べて頂けたらと思いますし、日本橋丸善や鎌倉に行くと実物を見れるかと思います。この本が自分の蔵書であると証明する蔵書票、その中でも最も有名な「ハリネズミ書票」をモチーフに、針鼠書房では本の購入時に蔵書シールの上に貼って、購入済みであることを証明する蔵書票を作成しました。この記事のトップ画像がその蔵書票第一号です。
この蔵書票をデザインしてくれた方は、また別の機会にご紹介させていただきますが、だれでも無料で借りることができ、どれでも購入できるBOOKSTORE+Library針鼠書房では、本の購入のたびに素敵な蔵書票が一緒に付いてきます。
一人でも多くの方が、素敵な読書機会を増やせるような書店にしたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
岡直樹