2021/08/26 11:41

宇野です。ちょっと校了直前でいろいろてんぱっているのだけれど、なんというか、元気ではあります。何か決定的な危機が近づくと、とりあえず元気ではあります。さて、今日はこれまで紹介しそびれていた記事について紹介します。

さて、今日取り上げるのは沖本ゆかさんと丸若裕俊さんの連載『もののものがたり』について。これは文字通り「もの」についての連載で、僕の身の回りにいる「数寄物」であるところの沖本さんと丸若さんに来てもらい、毎回1つ、自分のお気に入りの「もの」を持ち出してそれについて語るという企画です。今回はたまたまふたりとも工芸品でしたけれど、候補選びの打ち合わせの段階では時計とか、額縁とかざるとか、いろいろなものの名前が上がりました。だから次回からそういう「もの」たちも飛び出してくると思います。そして、これ、最初の打ち合わせをした日は『シン・エヴァンゲリオン』の公開日で、僕は打ち合わせの後これを観に行っているのだけれど、二人の打ち合わせが盛り上がりすぎて先に抜けて映画館に行った記憶があります。そして、その後FacebookのMessengerで取り上げる「もの」を決めていったのだけど、ふたりともどんどん「取り上げたいもの」を出してきてなかなか決まらない。というか、取り上げたい自分の「もの」の写真を投稿したらそのままその「もの」に対するコメントの応酬がはじまって決まらない。一緒んこれをそのままコピーして記事にしてもいいかと思ってしまうくらい止まらない。そしてそれがまた、無駄に面白い。ほんとうに、言葉の最高の意味で「めんどくさい」仲間たちだなと思いました。

沖本ゆかさんは某泣く子も黙る外資系コンピューター産業で働きながら、趣味で全国の窯元を回っているうちに好きな器のECを副業としてはじめてしまった人で、丸若裕俊さんは工芸品の精神と技術を活かした「もの」のプロデュースやお茶のブランド「EN TEA」を主催している人です。収録は沖本さんの実家の茶室(沖本さんのお母さんがお茶の先生をやっています)で行い、丸若さんがお茶を入れてくれました。僕は撮影の指揮でバタバタしていましたが、いい時間でした。次回はこの時間をたっぷり味わいたいなと思っています。

宇野常寛