日頃よりご支援と応援を賜りまして誠にありがとうございます。
この度活動報告といたしまして、【北のぶどう通信】の連載を開始することにいたしました。
記念すべき第1回目は貴腐菌についてお話いたします。
貴腐菌はトカイやソーテルヌで生産される極甘口の貴腐ワインで有名ですが、栽培上では防がなければならない病原菌のひとつです。
ブドウの糖度が上がってくると発生する病気で、栽培する上では灰色かび病と呼ばれます。
はじめ赤くなり、白い粉を吹き始め、胞子を出して感染を広げます。その様子はまるでゾンビのよう……。
昨年2020年は雨が多かったため、この病気によりかなり収量が減ってしましました。
貴腐菌(ボトリティス・シネレア)が発生すると、一部が腐り始め、他の病原菌も発生し、やがて房ごと捨てなくてはならなくなってしまいます。
これを防ぐためにもちろん薬を散布しますが、重要な作業が摘粒(てきりゅう)です。
両端にハサミとピンセットが付いた特殊な収穫鋏を用いて、病気の粒を一粒一粒取り除きます。
これが気の遠くなる作業……_(:3 」∠)_
しかし皆さまに美味しいワインやジュースをお届けするためには、欠かせない作業なのです。
執筆者:新保