下川町有林の歴史と現状
下川町は、全町面積が64,420ヘクタールで、その約90パーセントが森林であり森林面積のうち国有林が約85パーセントの49,024ヘクタール、民有林が8,409ヘクタールの、森林に囲まれ、そして森林・林業とともに歩んできた町であります。
下川町の町有林の経営は、1953(昭和28)年3月国有林野整備臨時措置法に基づき、国有林1,221ヘクタールの買受けを契機に、施業案を作成し本格的な町有林経営に入りました。当時の施業は、老齢過熟の大径木を中心にぬき切りをする天然林択伐施業でスタートしましたが、翌1954(昭和29)年の台風15号(洞爺丸台風)により、下川町でも壊滅的な風倒木被害を受け、著しく施業要件が変ったので、皆伐作業による伐採跡地の人工植栽に経営・施業案を改定し、以来伐採しては跡地の造林を繰り返す施業を実施してきました。
その後、時代とともに国有林・ 民有林の取得の機会にも恵まれ、経営面積を徐々に拡大することができました。また、植える面積が不足した時も、国有林内に部分林の設定契約をし、10年間で260ヘクタールの造林をするなど保続施業に努めてきました。
2006(平成18)年度森林調査簿で、町有林経営面積は4,205ヘクタール(分収林260ヘクタールを含む)を有し、人工林率62パーセントに達しており、トドマツ、カラマツ、アカエゾマツを中心に旺盛な美林に成長しているところです。
下川町有林経営の基本
町有林経営を開始した当時、面積は1,500ヘクタール余りで、保続施業を考えると面積は不足しますが、その中でも保続施業を続けるには面積相応の施業ということで、当時もっとも短伐期と考えられていたカラマツ30年伐期を採用し40~50ヘクタールを造林してきました。
その後伐期の流れも長伐期を志向するようになり、カラマツの他に伐期の長いトドマツ、アカエゾマツの植栽も増え、現在、下川町有林は、毎年50ヘクタールの造林×60年伐期=3,000ヘクタールで一つのサイクルを作る、循環型の森林施業(法正林思想)を町有林経営の基本としてきました。
持続可能な林業経営の実践
このように、地域内資源を地域内で持続的に循環(消費)させるため、昭和28年より継続的に保育事業を実施し、また、生産事業基盤の拡大を図ってきたわけであり、町有林の資源構成でも人工林2,605ヘクタール中手入れを必要とする7齢級以下の人工林が1,357ヘクタールあり、同時に伐期を迎えた人工林も45ヘクタールで、これは年々増えていくことになります。
下川町有林では、毎年50ヘクタールの造林×60年伐期の循環型森林施業を成熟させるため、本年度、主伐事業を行い次年度以降も事業面積を拡大しながら実施していく予定であり、平成25年度をめどに念願の循環型森林施業(持続可能な林業経営)が確立することとなります。
出典:下川町HP
(https://www.town.shimokawa.hokkaido.jp/jigyo/2020/01/post-10.html)
出典:下川の森HP
(http://hokkaido-tree.main.jp/shimokawa/tree/)