かれこれ、一年以上性暴力の撲滅のために活動させてもらっているものです。
毎回、自分の近況を友人などに紹介すると、なぜそんな活動をしているのか(絶賛、就活中です)を聞かれます。私は自分自身や、身近な人が被害に遭った強烈な経験があったわけではありません。(ちなみに男性の性暴力被害者も多くいることを知ってもらいたいものです)
改めて、自分がずっと関われているのかこの場を借りてみなさんにお伝えできたらと思います。
初めの関心事は大学で男女平等社会の重要性に心から納得したところから始まりました。大学の授業で多様化する個人が生まれ、市民社会の発達していく中で、従来の権力や競争によって成り立っていた社会から、女性らしさが持つ対話や寛容性がこれからの時代により重要であるとの視点に強く賛同しました。フェミニズム運動も女性のためだけではなく、男性にとっても無理な社会的プレッシャーがかからない社会になるのです。個人の視点でもジェンダーの枠に囚われず、個人の尊重をしていきたいと思い始めました。
少し自分の幼少期を振り返ると、学校などで感じるジェンダーへの社会的プレッシャーを私は感じていたようでした。男は泣くな、強くあれのような男らしさを全員に期待する力に向き合いきっていなかったからこそ、この考えに強く賛同したのだと思います。
そんな折に、性暴力の恐ろしさについて知りました。性暴力が魂の殺人と呼ばれ、想像以上に精神的なトラウマがその後も被害に遭った方の人生を苦しめることに、胸が痛みました。圧倒的に被害者になりやすい女性が日頃抱く被害への恐怖心は想像以上です。その恐怖を軽減して安心して暮らせる場づくりをしていきたいと強く決意しました。
活動に携わらせて頂くうちに、“同意”の概念を知らないがために苦しむ被害者、また人権の尊厳を傷つける加害者が生まれてしまうことに悲しみを覚えました。
知っていることで未然に防げることがあるのです。
この活動に携わっていることを友人に聞かれて話すと、過去に性について嫌な経験があることを打ち明けてくれる人もいて、その数に驚かされます。その度に性暴力がいかに身近に潜んでいるかを実感しております。
そうした経験をする人達が少しでも未然に防げるように、相手に嫌な思いをさせる人が少しでもいなくなるように、活動を続けていきたいと思います。
今回のクラウドファンディングはそうした思いを形にした一つです。少しでも多くの人が“知っていれば苦しまずに済む”ようにご支援をよろしくお願いいたします。
そこに性暴力を防ぐ、被害者を守ることは必ず繋がってくると感じました。
▼淵上貴史(創価大学4年)プロフィール
大学での同意についてのワークショップの導入に向けて交渉・啓発を行っています。性暴力の解決を通して、ジェンダーに関わらず、一人ひとりが尊重された日本を目指しております。なかなか理解の進まない文化の中ですが、草の根運動で男女間の架け橋であり続けます。