2018年5月27日の日曜日、渋谷にある株式会社CAMPFIREのオフィスにおいて、「セクシュアル・コンセント(性的同意)の教材をつくって大学生の性被害を無くしたい!」クラウドファンディングプロジェクトの達成と、学生が0から作ったセクシュアル・コンセント・ハンドブックの完成を記念して開催したイベント『セクシュアル・コンセント・ハンドブック報告会〜177人の想いをかたちにした大学生からの声〜』が無事終了いたしました。 当日会場には、40人ほどに足を運んでいただきました。学生主体のイベントとしては、社会人の方も多くお集まりいただき、その関心の高さを感じることができました。 長丁場のイベントでしたが、みなさん熱心に報告を聞いてくださいました。 改めて、心からお礼申し上げます!ありがとうございます! 【当日の流れ】 ・開会の挨拶 ・当団体のこれまでの活動と、クラウドファンディング挑戦の経緯 ・ハンドブック制作メンバーによるパネルディスカッション ・ハンドブック配布メンバーによる報告 ・監修者・協力者からのコメント・講評 ・会場での感想シェア ・閉会の挨拶 ・交流タイム ★クラウドファンディング結果ご報告 2017年10月15日〜12月21日で実施したクラウドファンディングは、177名のから、1,701,000円の御支援をいただき無事達成することが出来ました。初めてのプロジェクトながら、目標額113%達成という大成功で終えられたのも、御支援いただいた皆さまをはじめ、記事のシェアなどをしていただいくなど、多くの方々のお気持ちがあってのことと、感じております。改めてありがとうございました。 多くの御支援をいただいたおかげで、実際に、学生とゼロから制作したハンドブックは、予定よりも多く、20,000部も発行することができました。すでに関東を中心とする13の大学で、4532部を配布することができています(5月時点)。 ★パネルディスカッション パネルディスカッションでは、制作に取り組んだ3名の学生が登壇しました。 そもそもなぜ、このプロジェクトに参加しようと思ったのかを語ってもらいました。都内の私立大学生は、留学時の経験が大きかったと語ります。 「オーストラリアに留学した時に、キャンパスレイプ予防の啓発ポスターが壁いっぱいに貼ってあってこれは日本では見ないな、と思った。それに、日本ではタブーだけれど、向こうでは性の話も政治の話も普通に話す。それで、そういうカルチャーは日本でも広めたいなと思っているときに、このプロジェクトを知って、私がやりたいことだと思って参加した。」 また、都内の国立大学大学院に通う学生は、性暴力やセクハラを身近な問題として捉えることが多く、その際にいかに被害に遭わないかという議論にしかならないことへの違和感が参加の動機となったと話してくれました。 「私は、大学院で研究してるが、友達からも、性に関する嫌な体験にあった話も本当によく聞く。身近で起こっている問題。それなのに、被害者がいかに被害に遭わないように気をつけることだけでは限界があると思って、誰も加害者にならないようにするために、『セクシュアル・コンセント』という概念などを広めたいと思った。」 都内の私立大学に通う生徒は、刑法性犯罪を変えるためのキャンペーンにも参加しており、その時に「同意」の大切さを大学にもっと広めていきたいと思い、活動を続けていると話してくれました。また、男性が参加することの意義も感じていると話してくれました。 「もともと、環境系の社会課題に関心があった時に、男性は日中仕事だから、実は草の根で環境保護活動の中心は女性が担い手であることが多い、など、そこでもジェンダーの話が出てきて関心を持つようになった。大学で勉強していくうちに、フェミニズムは、男性にとっても有益な考え方、概念であると気づいて、それでもこういう活動に参加する男性は少ないので自分でやろう、と。男性と女性の考え方の橋渡し役になりたいなと思って活動している。」 様々な想いや経験をもとに集まった多様なメンバーを中心にやっと完成したハンドブックですが、どんな想いをこめ、工夫をしたのか報告してもらいました。 タイトルはもちろん、各ページに込めたメッセージや想い、言葉一つ、デザイン一つにこだわって作ったことが伝わり、会場の皆さんも真剣でした。 表紙の色で少なくとも3回は議論したこと。性の話題にオープンでない故に、性についての大切さが認知されていなかったり、正しい知識を持っていない人も多い日本社会において、どこまでジェンダー・ニュートラルに表現するかという葛藤。それでも、どんな方でも手に取ってもらえるように「日本人は」ではなく、「日本では」など、細かい表現や色にまでこだわって表現にしたこと。アクションする側に同意をとる責任があることを、強調したかったこと。その同意は、声に出して確認することが大事だと伝えたかったこと。「あれはダメ、こうしたらいけない」という冊子ではなく、「こういうコミュニケーションをしたら、誰も加害者にも被害者にもならない!」というポジティブなメッセージを伝えたかったこと…。時間が足りないほど、彼・彼女たちのハンドブックにかけた想いを皆さんに伝えられたと思います。 最後に、3人からハンドブックはあくまでツールであり、これから「同意」の大切さを広めていくために、各大学で変化を作っていきたい、と話してくれました。 ★配布報告 現在配布活動を展開している6大学のメンバーから、配布状況やその際の工夫、想いを報告してもらいました。 配布方法としては、授業の前後で時間を頂いて配布をしているメンバーや、サークルなどのコミュニティに配布しています。配布の際には、配布の際に実際にページをめくって貰えるように、ハンドブックの内容を短く説明することや、共感してもらえるように話すこと、女性だけのものではなく全ての人に向けて作った想いの部分を伝えることをどの大学も共通して工夫していました。また、さらに活動を展開していくために積極的に、興味があるひとへ活動への参加を呼びかけている、という話もありました。 実際に配布をしてみての学びの報告もあり、参加者の皆さまも興味深そうに聞いていました。 実際に配布してみて、思っていたより興味を持ってくれる人が多く、渡してすぐにページをめくってくれる人もいて嬉しかったという話があった一方で、「同意」の概念を今まで知らなかった人は初めから拒絶してしまうという報告も。そういう人にこそ、手に取ってほしいので、今後説明の仕方をさらに工夫していくべきという課題が見えたと言います。 また、ハンドブックをツールに学生のコミュニティを作ったり、留学生にも渡せるように英語版を作りたい、学内の実態調査をしていきたいなど、今後の展望についても力強く発表がありました。 実際に、配布だけでなく大学のシステムとして同意の大切さを伝えられるように働きかけている大学の先進事例も紹介されました。 都内の私立大学では、学生主体で具体的に新入生に向けた同意ワークショップの制度化に向けての活動しています。昨年には、学内の学生にアンケート調査を行い実態を可視化し、さらに今年度から教職員にも働きかけを行なっていること、並行してSNSを活用した学生への啓発に力を入れて認知度を高め、制度化への計画を共有してくれました。 さらに、協力的な教員と学生が中心となって、精力的に配布・大学への働きかけを行なっている私立大学での活動報告では、大学内でのハンドブック配布手続きの了承をとり、スムーズな活動につなげており、学生と教員・大学職員が協働することの大切さを感じることができました。 ★監修者・協力者からのコメント 最後に監修者・協力者からの講評・コメントをいただきました。 監修者の埼玉医科大学産婦人科の高橋幸子先生より、「自分の関心・伝えたいことと完全に合致していたので、ぜひ監修をしたいと思った。学生たちの報告を聞いて想いが詰まったハンドブックであることが改めて伝わった。自分の大学で医学生たちに教材として渡すと、非常によく読み込んでくるとともにまず『これを大学生が作ったのがすごい』という感想が寄せられる。これからより活動が展開されることに期待している」とのお話をいただきました。 協力者の性暴力被害者支援看護師の山本潤様、NPO法人ピルコン理事長染矢明日香様からはメッセージをいただきました。日本大学危機管理部准教授の鈴木秀洋様からは「人権の問題としてこの課題を捉えている。今までジェンダーの話題は男性を排除するような傾向もあったが、若い人や多くの男性も参加していければ」というコメントをいただきました。 会場からは「自分も自分にできることをしていきたい」「すごく想いの詰まったハンドブックだと伝わってきた」という声をいただきました。最後は交流会の時間でそれぞれ報告者・参加者で自由で活発な議論があちこちでなされていました。 改めてプロジェクトを支えてくださった全ての皆様ありがとうございました! これからも、私たちが目指す社会に向かってみなさんと一緒に歩みを進めて参りたいと思います。これからちゃぶ台返し女子アクションをどうぞよろしくお願いいたします。
5月27日(日)に本プロジェクトの報告会を開催します! 制作過程や配布の様子の報告に加え、ぜひさらなる変化に向けて、同じような問題意識・想いを持つ方々がつながれる素敵な場にできればと考えております。 こちらのフォームからお申し込みいただけます。皆さまのご参加をお待ちしております! ***イベント詳細*** セクシュアル・コンセント・ハンドブック報告会 〜177人の想いをかたちにした大学生からの声〜 誰ひとり、性暴力の被害者にも加害者にもならない社会を作りたい。 全ての人が、自分の身体と性を肯定して、「自分の体は自分もの」と思える社会にしたい。 対等で、尊重し合える関係性が広がる社会にしたい。 そんな想いを胸に、私たちちゃぶ台返し女子アクションでは、昨年末、大きな挑戦をしました。 それは、大学生の手によって、大学生のために、性において自分も相手も大切にするために必要な知識が詰まった、セクシュアル・コンセント・ハンドブックを作ることです。 クラウドファンディングもハンドブック制作も初めての挑戦でしたが、 本当に多くの方々から応援していただき、たくさんの方々にご協力いただき、 大学生を中心にゼロから制作したハンドブックが、この春無事に完成いたしました。 応援ご支援をいただいた皆さま、本当にありがとうございました。 そして、各大学での配布が始まっています。 わたしたちのアクションは、皆さんに支えられてカタチになりました。大きな一歩でした。 いま、各々の学生や大学関係者が少しずつその輪を広げながら届けています。 大学生の手に1冊ずつ。届けたい人に1冊ずつ。そしてさらなる変化に向けて。 そんな私たちの挑戦を皆様に広く共有したく、報告会を開催いたします。 一歩ずつではありますが、このアクションの現在進行形のストーリーにご関心のある方はぜひ、お越しください! ★★詳細★★ 【イベント詳細】 ▪️日時:2018年5月27日(日) 14:00~17:00 ▪️場所:株式会社CAMPFIRE事務所 〒150-0002 東京都渋谷区渋谷2丁目22-3渋谷東口ビル 5F ▪️参加費:社会人:1500円 学生:500円 ※参加費は資料代、茶菓子代、ハンドブックを広める学生の活動費に充てさせていただきます。 ▪️定員:80名(定員になり次第締め切らせていただきます) ▪️内容:ちゃぶ台返し女子アクションについての紹介、ハンドブック制作、配布に関わる学生による報告、交流会(詳細のプログラムは近日中にお知らせします) ▪️お申し込みこちらのフォームよりお申し込みください。 ▪️Facebookイベントページ:https://www.facebook.com/events/278065672732534/ ▪️HPイベントページ:http://chabujo.com/event/handbook-0527/
セクシュアル・コンセント・ハンドブックが遂に完成いたしました!! 土曜日に出来立てほやほやのハンドブックが届き、昨日初めて、メンバーで手に取ることができました。 私たちの「伝えたい!」という願いが、みなさまの温かい応援・ご支援のおかげで、このように形になり、とても感無量です。本当にありがとうございました。 とは言っても、今がまさにスタートライン!これから一人でも多くの大学生にこのハンドブックを届け、同意の大切さを広めていけるよう、メンバー一同頑張ります!! 配布の様子も団体のSNS等で随時発信していきたいと思いますので、楽しみにしていてください。 性暴力の被害者も加害者もうまない社会に向けて、皆さまのおかげで大きな一歩を踏み出せること、感謝の気持ちでいっぱいです。 引き続きの応援、どうぞよろしくお願いします。
こんにちは。プロジェクトリーダーの大澤です。 先日、本ハンドブックのデザインを引き受けてくださっているイラストレーターのばちこさんとお打ち合わせを行いました。 より多くの学生に手にとって読んでもらうためには、デザインはとても大切になるため、これまで大学生チームのメンバーとのミーティングでたくさんの議論を重ねてきました。 どのようなデザインが良いのか。可愛い系か、それともかっこいい系か?どのような色が良いか。目を引くビビッドカラーか、それとも落ち着きのあるものか?いくつかの色に候補を絞り、みんなで周りの学生にヒアリングを行い、テーマカラーを決めました。 大学生との話し合いの結果をもとに、ばちこさんとの打ち合わせで、デザインのイメージのすり合わせをしました。 ・テーマカラーはターコイズ、 ・性別関わらず手に取ってもらえるようジェンダーニュートラルなデザインで、 ・性暴力というと暗くてタブーなイメージがあるので明るくポジティブなイメージ。 ということになりました。 ちなみにハンドブック自体は18ページのもので、以下のような構成になります: ハンドブックを手に取ってくれた皆さんへ・・・P. 2セクシュアル・コンセントってなに?・・・P. 3大学生だから考えたい性暴力の問題・・・P. 6自分の身体は自分のもの 〜したいこと・されたいことは自分で決める!〜・・・P. 9どうしたら同意を大切にできるの?・・・P. 11知らんぷり?お節介?見かけたら力を貸せる人になる 〜加害者でも被害者でもない第三者の関わり方〜・・・P. 13知っておきたい相談先・リソース・・・・P. 15ABOUT US・・・P. 17ハンドブック制作にあたり・・・P. 18 近々表紙のデザインが確定すると思うので、ぜひ皆様にご共有できたらと思います。 自分たちが作った原稿が、デザインが加わることで、どのように変身するのかとても楽しみです!
寒い日が続く中、みなさま元気にお過ごしでしょうか。 たくさんの方々の温かい応援ご支援のおかげで作成が可能となったセクシュアル・コンセント・ハンドブック、新学期の配布に向けて準備は着々と進んでいます! これから小まめに、作成の様子についてみなさんにシェアしていけたらと思っています。 今回は、先日行った表紙用の写真撮影についてです。 写真をとるために、まだ雪がところどころ残る代々木公園に行って来ました。幸いなことに晴天!先週はどんよりした天気が続いていたばかりに、嬉しい限りです。 新学期に配るということで、「春」感を出すために、寒い中みんなでコートを脱いで頑張りました!! 表情は何が良いか、ポーズは何が良いか、色々悩んで、撮った写真は全部80枚超。 どんな表紙に仕上がるか、とても楽しみです。 肝心の中身についても、どんどん形になってきています。 連日、どんな情報がもっとも役にたつか?どうやったらちゃんと伝わるか?というのを制作チームで真剣に考えながら、幾度も議論を重ねて、固めてきました。 とても充実した内容になっているので、楽しみにしていてください☆