【境町の自動運転バス】
茨城県境町では、2020年11月からBOLDLY株式会社及び株式会社マクニカの協力のもと、自動運転バスを3台導入し、生活路線バスとして定時・定路線運行しています。
自治体が自動運転バスを公道で定常運行するのは日本初の取り組みです。
自動運転バスの車両は、フランス・ナビヤ社製「アルマ」3台。3台のうち2台の外装及び座席カバーには、境町出身のアーティスト内海聖史氏のデザインを採用し、境町のコンセプトである「自然と近未来が体験できるまち」をイメージしています。また、3台のうち1台の外装には、境町とBOLDLYが、近隣を流れる利根川をテーマに公募したデザインとなっています。
今回、境町の自動運転バスを 龍ケ崎MaaS推進協議会で見学してきました。
■自動運転バス乗車
「道の駅さかい」と、「境シンパシーホールNA・KA・MA」をつなぐ、往復約6kmのルートを自動運転バスを1台貸し切り、特別運行していただきました。
公道を走る自動運転バスに乗車し、BOLDLYの添乗スタッフによる車内外に取り付けられたセンサーや操作機器の説明を聞きながら、他車とのすれ違いや追い越し、信号待ちの停車による制動など乗り心地を体感しました。
■遠隔監視施設見学・取組説明
自動運転バスをリアルタイムで遠隔監視する施設は、河岸の駅さかいの駅舎内にあります。河岸の駅さかいは明治時代の老舗和菓子店を改装したベーカリーとオフィスが融合した複合施設となっています。BOLDLYは自動運転バスの運行管理を行う「Dispatcher」と呼ばれる遠隔監視システムによりリアルタイムでバスの状況を確認しています。バスはプログラミングされた3Dマップに基づいて運行していますが、現在は自動運転にヒトの操作が介入することで安全な運行が保たれているそうです。
■隈研吾設計建築物見学
境町には隈健吾氏による建築物が6つ点在しています。今回のツアーでは道の駅さかい、さかい河岸レストラン茶蔵、S-ブランド、S-Lab、S-Galleryの5つの施設を見学しました。県産の木材や自然素材を多用し、隈研吾が手掛けたものだと一目でわかる建築デザインは圧巻でした。
最後に
今回の見学で、自動運転バスの乗車時に街ゆく人々が手を振って見送ってくれたり、「境町に来てくれてありがとう」というお声をかけていただいたり、地域住民の温かなぬくもりにふれることができました。自動運転バスの実用化に向けて、地域社会が一体となって盛り上げていこうという姿勢が垣間見れ、未来の交通の在り方がもっと身近なものとして成り立つための良いモデルになっていると感じました。
龍ケ崎MaaS推進協議会