数々のチームを行き来する中でもちろん寂しさはあります。
中でも思い入れのある転向が男子新体操へ転向した時です。
大学在学時、それまで所属していた徒手体操部のみんなとは、お互いをかなり信頼し合っていました。「信頼を得る」というのは日々の積み重ねで、大学ともなればお互いが育ってきた背景がかなり違ってきます。考え方も違えば、物事の捉え方も違う。それだけにまとまるのはかなり大変な事です。尚更、人数が多ければ多いほど大変です。毎日のようにミーティングを重ねた事を覚えています。ミーティングでお互いが本音を言い合うに連れて、お互いの違いを認め合い、チームの結束力が増していきました。そんなチームを離れるのは名残惜しい気持ちでした。チームメイトが自分の存在を認めてくれるチームを離れる戸惑いはもちろんありましたが、一回きりの人生です。憧れを憧れのままで終わらすのは絶対に嫌でした。そしてチームを離れる決断をします。大学2年時の終わり頃でした。
そしてそんな彼らと、またいつか同じ舞台で一緒に体操をしたいと心から願っていました。
そんなわがままな想いはお互いが大学4年時、先生方の粋な計らいで叶いました。
日体大徒手体操部が主催する演技発表会にゲストとして当時僕が練習でお世話になっていた国士舘大学男子新体操部がゲストとして呼ばれました。徒手体操部演技発表会の50年以上の歴史の中で過去にそんな歴史は一つもありません。その中で、僕も国士舘大学男子新体操部員に混じり演技をさせて頂きました。
この演技発表会を機に、日体大徒手体操部の同期27人は全員引退です。
最後に彼らと同じ舞台に立てた事は大学4年間の物語の中でやはり特別な瞬間でした。彼らの演技を見た時に、自然と涙がこぼれました。
このような特別な機会を作って頂いた先生方。世界からも絶賛される国士舘大学男子新体操部の集団演技に参加させて頂いたこと。そしてチームを離れてからも、練習場は違えど、仲間として切磋琢磨した日体大同期27人。
あれから5年経った今でも感謝は忘れていません。