ギリギリセーフで芹澤興人さんからのコメントが届きました。
芹澤興人
あるシーンの段取りの時、監督から「ここ、ちょっと面白い感じがいいです」と言われ「じゃあ、ドーナツ持ってこんな感じでクルっと回ってみるとかどうですか?」とやってみたところ
「そうしましょう!」となりました。
セッティングが始まって、近くで待っていると出演兼演出部の関口アナンさんが、ドーナツを持って、夜の赤城神社の鳥居の前をクルクルしている。かなりバカっぽくて面白い。
「どうか関口さんにバチが当たりませんように」と祈ってみる。
役者の提案を受け入れて、時間のない中でも焦らずに良いものを作ろうという監督、スタッフの方々の姿勢が嬉しかったです。
内心は「あー僕がドーナツ出すって言ったせいだなぁ、めんどくさい俳優って思われたかなぁ。大丈夫かなぁ、巻いてたのに、時間押したかなぁ…」と結構不安でした。
人の仕事を待つことができる人達が揃っている現場は凄く好きです。
10月下旬、寒空の下、赤城神社の鳥居の前でドーナツを持ってクルクルしている男を目撃した方。あれは僕です。きっと神楽坂に来る度にこの夜のことは思い出すでしょう。
何パターンか撮影をしたのでどのカットが使われるのかは完成してのお楽しみにします。
とても懐の深い現場に参加できて幸せでした。完成楽しみにしています。
歩き方ひとつ、振り向き方ひとつ、丁寧にディスカッションしていきます。
ちひろ役の仁科かりんさん、勘が良く、でも、どこか抜けていてGOODです!
赤城神社のナイトシーン。
前回でもお届けしたキャスト陣のコメントからも分かる通り、撮影現場は温かく、それぞれのかけがえのない人生の一部になったのかな?と思いました。
「こういう言葉を使えば伝わるのかな?」
「こういう声色で言うと和らぐのかな?」
と初めての映画の現場で学ぶことが多く感慨深い期間でした。
とあるスタッフから言われた言葉です。
「監督は言葉を操る仕事である」
とある先輩から言われた言葉です。
「愛を持って仕事をしろ」
ものづくりにおいて、生きてきた時間、見て聞いて感じてきたもの、つまりは人間が映るのものであると信じています。この映画はそんな人間性の集合体でありたい。
完成までまだ時間がかかりますが、来年の劇場公開を心待ちにしていただければと思います。
監督より