皆さん初めまして。新町智哉と申します。2014年からミャンマーのヤンゴンで生活しております。MAKESENSE ENTERTAINMENT Co.,Ltd.という会社を経営しており、その名の通りミャンマーのエンタメに関する様々な仕事をしております。これまでに俳優養成所を運営したりイベントを行ったり映画製作にプロデューサーとして関わってきました。最近ではミャンマーについての執筆もしています。どんな困難なときも エンターテイメントは存在し続ける昨年のコロナショックで私の会社も大きな痛手を受け、それでも何とか復活を目指して踏ん張り続け、年が明けようやく出口が見えたかと思った2月にクーデターが起こりました。現状、会社はほぼ壊滅状態です。長い年月をかけて作ってきたチームもピーク時のような大所帯では無くなってしまいました。「こんな状態で自分が残っていても」という自問自答を毎日しながらも諦め切れずヤンゴンに残り活動を続けている日々です。私のこれまでの人生においてミャンマーで過ごした7年という歳月は短いものではありません。沢山の人に知って欲しい面白い話や、大きな声では言えないような話まで。ミャンマーでの生活は刺激的なものばかりでした。そして、関わって来た沢山のミャンマーの人たち。全てが良い出会いではありませんでしたが、私がこの国にこだわるには充分過ぎるくらいの素敵な出会いが沢山ありました。そしてその縁は今でもしっかり生きて続いています。エンターテインメントは衣食住、そして更に安全が揃ってようやく心から楽しめるものだと痛感しています。正直、現状のミャンマーで私たちの出番など一体どこにあるんだ?というのが多数の皆さんの意見ではないでしょうか。しかし、2月以降、ヤンゴンで過ごし、毎夜銃声や爆発音が鳴り響く日々においてもミャンマーの人たちの間に確実にそれは存在しました。決して華やかなものでは無く小さな小さなものでした。ですが、確実に人々の間にエンターテインメントは存在していました。「まだきっと自分にもできることがある」日常と非日常が交じり合う中で私が強く確信した「想い」です。映画『一杯のモヒンガー』で繋がる支援今回大変光栄な事にこのヤンゴンかるたプロジェクトの皆さんからお声をかけていただき、喜んで協力させていただく事にしました。2017年に私たちが製作した「一杯のモヒンガー」という映画その脚本をリターンとしていただくために、一杯のモヒンガー製作委員会より、ヤンゴンかるたプロジェクトへ寄付させていただきます!こちらは実際に映画の中で使われているミャンマー語のセリフを全て片仮名のフリガナ付きで掲載しています。更に見開きでそのミャンマー語のセリフの基となった日本語の脚本が載っています。DVDも付いているので映画と合わせて楽しんでください。映画の撮影、編集は勿論、この本の印刷、DVDのプレスに至る全てをミャンマーで行いました。日本の皆さんの手元に届くのが今から楽しみです。これがヤンゴンかるた共々、日本人とミャンマー人の新たな交流のツールになると幸いです。一杯のモヒンガー製作委員会 プロデューサー新町 智哉
寄付月間 の付いた活動報告
ヤンゴンで社会人体験中学2年生の時、私はミャンマーのLive the Dreamという会社で、職場体験をさせて頂きました。初めての社会人体験がヤンゴン。今思い出すと貴重な経験でした。Live the Dreamは、ミャンマーの若者に職業を紹介するビデオを作る会社です。ミャンマーには職業の多様性や「職業を選択する」という意識がまだ若者の中に浸透していないそうです。ロールモデルを紹介することで、若者が職業を知り、将来像を描き、学び、働く社会を目指していると聞きました。ボディービルダーさんの取材に同行したり、実際に動画のストーリーラインを書かせていただいたり、ミャンマー人のスタッフさんとランチをしたりしました。一緒に食べたシャンカウスエが美味しかったです。ミャンマー人スタッフの方から聞いたお話が、とても印象的でした。「両親にご飯をご馳走したい」と同僚からお金を借りたのに、そのお金を道中で困っている子どもたちに全て渡してしまい、両親にご馳走はできなかったそうです。当時、話を聞いたときはびっくりしました。もっと驚いたのは、周囲が「それはいいことをしたね」という反応だったことです。驚くことに、そういうエピソードはミャンマー中にたくさんあって、珍しいことではありませんでした。お互いに助け合ったり、ドネートしたりすることが、日常の一部なんだと感じました。世界人助け指数、日本は最下位ところで、2021年のworld giving index(Helping a stranger, Donating money, Volunteering timeの3項目)で、日本は総合最下位だそうです。ちなみにミャンマーは4位でした。こういう指標に対しては、さまざまな意見や見方があると思いますが、人を助ける人が少ないということは、自分が困ったときに助けてもらえないということなんだな、とこの記事を見て思いました。そもそもホモ・サピエンスは、生物的に弱く助け合ったからこそ繁栄したと聞いています。(by兄)お互いの思いに寄り添って助け合って生きること、つまり共助・共存といったことは、私たちが本能的に持っているものだし、人間らしさそのものと言えるのかもしれません。私たちは、思いがけなくたくさんのご支援をいただきました。改めてご支援に感謝し、活動に対して責任の重さも感じています。いよいよ、ミャンマーにかるたを届ける活動を開始します。現在セカンドゴールに向けて、話し合いを始めています。皆様には引き続きクラファンへのご支援、そしてミャンマーを知る支援、伝える支援をお願いします。(野中優那)