かるた完成しました!昨日はクリスマスイブ。私たちの元には、かるたの完成版が届きました。かるたの読み札と絵札かるた製作で大切にしたことYangonかるたの活動の中で一番大変だったことは、かるたの内容の校正でした。もともとこのかるたは、クーデターが起きる半年前、コロナ禍で自宅から出られない時に、兄弟で作成したものでした。クーデタ後日本に帰国し、プロジェクトを始めた頃、上智大学の根本教授がお話を聞いてくださる機会がありました。お忙しい中、私が中学3年生の時に作ったホームページを事前に見てくださり、ミャンマー語表記の間違いを指摘してくださいました。ミャンマー語の日本語表記の仕方や意味を、一つ一つ確認しなければいけないと意識しました。そして、かるたの内容を見てくださる方を探し始めました。大学のビルマ語科の先生やミャンマー語翻訳家の方など、多くの方々にかるたの説明を見ていただく中で、私のかるたの読み札の言葉が、ミャンマーの方に寄り添っていたか、果たして独りよがりではなかったか、深く考えさせられました。自分が趣味で作った無責任な内容ではいけない、と改めて気づかされました。誰に伝えるかレーダンマーケットは「フレーダン」と発音するから「ふ」の札ではないか、というご指摘もありました。また、アウンサン将軍はビルマ族の英雄だから『建国の父 アウンサン将軍』という読み札にすることに、他の民族の方がもしかしたら抵抗感があるかもしれない、といったご指摘もいただきました。多民族国家であるミャンマーは、民族についてどこまで説明するべきなのか、特に悩みました。ヤンゴンナイトマーケットのように、クーデター下で既に失われてしまったものもありました。ただ一方で、こだわりすぎることによって、ミャンマーにあまり馴染みのない日本の方にかるたの内容が伝わりにくくなってしまうことにも気づきました。ミャンマーの方に失礼な説明にならないように、かつ日本の若者にわかりやすいように、試行錯誤を重ねました。多くの方のご協力を得て、ヤンゴンかるたは作られています。かるたと一緒に、ぜひ内容の濃いブックレットを読んでいただきたいです!目標を達成したことから、私たちはかるた製作をすることができました。これまでかるた製作にご協力いただいた皆様、ご支援いただいた皆様、お一人お一人に心から感謝しています!Merry Christmas!!(野中優那)クリスマスイブに作業する私と母(弟撮影)
教育 の付いた活動報告
政変によって断たれる学びこんにちは。プロジェクトメンバーのAです。先月から開始したクラウドファンディングですが、皆様のご支援のおかげで、早々に目標を達成することが出来ました。改めて、感謝申し上げます。次なる目標に向けて、精進して参ります。さて今回は、本プロジェクトの趣旨にも関わる「ミャンマーの政情と教育」について、自身の経験や知見に基づいて書いてみたいと思います。私はあるとき、ミャンマーの教育について、ザックリとですが、調べる機会がありました。そのとき目についたのが、1988年の民主化運動が軍によって弾圧された後、度重なる大学の閉鎖によって高等教育の質的低下が起こったという記述でした。留学していたヤンゴン大学ミャンマーでは、新型コロナウィルス感染症の拡大や、クーデター後の混乱から、小中高から大学まで、教育機関が閉鎖されてきました。小中高は11月に再開されたものの、クーデターへの反発や、登下校に伴う危険を理由に登校を控える動きが目立ちます。また国軍は、2022年1月からの大学再開を主張していますが、小中高と同様の理由から登校しない学生が多いことが予想されますし、登校するかしないかで政治的立場を問われるような踏み絵を踏まされることも考えられます(身近でそのような事例を見かけたこともあります)。閉鎖されたサッカーグランドが野原に教育を受ける権利と重要性このように、ミャンマーでは、日本で生活していれば考えられないような理由で「学校で学びたい」という願いが絶たれたり、本来必要のない複雑な判断を強いられたりしています。「ミャンマーのような国もあるのだから、日本の学生はもっと真剣に学ぶべきだ」などと言われると、途端に息苦しいような気がしますし、私自身反発心を覚えます。日本においても教育格差が依然として問題であることから、何の抵抗感もなく他国の教育事情について考え、支援をしようと思える状況にある人ばかりでないことも承知しています。とはいえ、私のような日本で生まれ育った学生が、教育環境に関して比較的幸運であることも、また事実であるように思います。少しでも、教育の重要さや、教育を受ける権利について考えていただけるならば、ぜひ本プロジェクトへのご支援をお願いしたいと思います。支援を通し、ミャンマーに興味を持っていただく中で、徐々に考えに変化が生まれてくることもあるかもしれません。クーデター後、民主化を求める人々によって赤く塗られた学校の校門を、国軍が上から黒く塗った跡(ヤンキンの公立学校)未来を見つめる支援クラファン本文中、STEP4の目標として設定している「ミャンマー語版かるた」製作は、現地で十分な教育機会を得られない人々を、直接支援することにも繋がります。また、STEP4の内容を紹介した部分では、ミャンマー語版、日本語版のかるたでそれぞれの国に興味を持った若者が、5年、10年先に交流する未来について触れました。私は、それは決して夢物語のようなものではなく、実現可能な未来であると信じています。まだ少し先...と思っていたSTEP4ですが、いよいよ活動を開始できそうです。近日中に、ネクストゴールについての指針をお伝えいたします。引き続き、我々の活動を応援していただけますよう、よろしくお願いいたします。(A)
クラウドファンディングに協力してくださった皆さま、この度はありがとうございます。プロジェクトメンバーの石川です。今回はヤンゴンかるたを使った課外活動について書いてみようと思います。 11月13日(土)、20日(土)に聖学院中学校さんで実施した出張ワークショップに、自分も運営として参加してきました。1回目は「ミャンマーの概要やクーデター後の現状」、2回目は「国際社会の中でできること」をトピックに、ゲストを招いて実施しました。身を乗り出すように真剣に話を聞いてくれる一方、カルタやクイズなどアクティビティの時はワイワイと賑やかな中学生たちの様子はとても微笑ましく、真っ直ぐにプログラムに取り組んでくれていることが伝わってきました。(上から目線になってしまいましたが、僕より、みんなしっかりしていたと思います…)ミャンマーの食と電力事情のクイズミャンマーの状況に目を向けようとしてくれた中学生たちの言葉から、色々なことを教えてもらうと同時に、自分も頑張らなければ、と刺激を受けたワークショップでした。グローバル教育の現場では、国際社会で必要とされる「スキル」や「知識」を身につけることも大切ですが、世界で起こっている不条理やそこに生きる人々に想いを寄せることのできる「心」を養うことが何より大切だと思っています。ヤンゴンかるたが、日本全国の子供たちにそんな心を持ってもらうきっかけの一つになったら嬉しいです。講師のお話は自分たちの学びにもなりましたこれからも、カルタという身近な文化を生かしたさまざまな取り組みによって、日本とミャンマーを繋ぎ、両国の未来を明るく照らす一助となれるよう頑張っていきたいと思います。引き続き応援をよろしくお願いします!(石川航)