みるみる手帳はなぜアプリにしないの?
ときどき聞かれます。
ビジネスコンテストとかスタートアップビジネスとかでは必ず、アプリがもてはやされます。
「鈴木さん、アプリならかっこいいのにさ。わざわざペンで書く手帳なんだね」
2017年頃、みるみる手帳構想の際、実はアプリ化のアイディアは出ていました。
でも、あえてアナログの手帳にしました。
理由は複数ありいくつか挙げますと…
①メガネ店/眼科など記載者が複数なのでアプリ化難易度が高い
②アプリ化コストが今よりかなり高かった(現在は少し落ち着いてきたが)
③治療はそもそもアプリという流行りものでやるものではない
ただ最も大きい理由は、
「文字を書く、書き残す。大切さを幼い子どもたちに伝えたい」
でした。
私たち大人はデジタルデバイスの日常化により文字を書かなくなりました。名前住所以外少し文章書こうとすると驚くほど文字が下手になっています。
文字は情報以上の意味を持つ私たちの大切なツールです。他者に心を伝え他者の足跡を追い知性に触れ筆跡で人柄を察します。
尊敬する辰巳貞子先生はとことん文字を書かれる人です。カルテ紹介状お手紙メモに至るまでとにかく書く。その文字に品位/教養/愛情をいつも感じます。(僭越な表現ですが)
デジタル情報保存の危険性もあります。スマホで簡単に写真が撮れるようになりましたがずっと保存できていますか?私は出来ていません。写真プリントしていなかった10年以上前のものはかなり失われました。
弱視治療は何年もかかって大人と子どもが共に歩む治療。共に歩む大人は、親であり眼科でありメガネ店です。
大人たちと歩んだ治療。いつか子どもたちが大人になったとき、古いみるみる手帳として懐かしくめくってみてもらえたら。
たぶん何かを感じ取り、きっとその子は次の世代に何かを繋いで行ってくれるのでは?そんな意見のやり取りがあり、アナログの手帳にこだわってます。