クラウドファンディング、残りあと5日になりました。
いつも皆様からの温かいご支援やメッセージに元気づけられています。
ありがとうございます。
今日は、ページに掲載している写真についてちょっとお話したいと思います。
コムデギャルソンやヨージヤマモト、イッセイミヤケなど
その年代のクリエイティブなお仕事をしている人なら
一度は袖を通したことがあるブランドだと思うのですが
彼もとてもそのブランドが好きでした。
他の物にはあまりお金を使っていなかったので
洋服だけは好きなものを買っていたようです。
彼が入院する前はたくさんの洋服がありましたが
入院し広いマンションから一人で暮らすマンションへ引っ越しをするときに
部屋の狭さから、多くを処分せざるを得ませんでした。
その中でも写真にある2枚は私の中でもとても印象に残っているもの
左側の黒いジャケットはコムデギャルソンのジャケットで
裾の方に金糸の刺繡が入っています。
このジャケットは、私の祖母が亡くなったとき
彼がお葬式の時に着ていたものです。
お葬式用の喪服を持っていなかったから
「僕の中で一番喪服に近い服はこれだよ。」
と金糸入りのジャケットを着ちゃったんだよね。
金糸はお祝いの時に着るものだよ。
私の母は岡山の山奥にある温泉街の出身で
深い山間の村で祖母のお葬式は行われました。
田舎のお葬式には独特の形式があって
我が家の場合は、棺の四隅を親族の男性が持つルールになっています。
(どうやら野辺送りという儀式のようです)
男性たちは棺を持つときに頭に三角のモチーフがついた
(よく昔のお化けがしているやつ)土・火などの文字がかかれたハチマキを
頭に巻き付け裸足にならなくてはいけません。
彼は、突然それを任命されたのですが
もともと細い体だったので、その姿が何とも言えず滑稽だったようで
(ほんとうのお化けみたいだったわけです)
親族一同の笑いを誘ってしまい
お葬式なのにみんなから「亮君、きみは最高に面白かったよ。」
といわれて、一気に親族の中で有名人になってしまった。
おばあちゃんも、みんなが笑顔になってくれて
嬉しかったんじゃないかな。
何をやっても普通じゃなかったし、
いつも周りのみんなを楽しませてくれていたよね。
今でも、このジャケットを見るとくすっと笑ってしまうんだ。
そして右側のジャケットは、
コムデギャルソン HOMME PLUSが、
KYOTOをコンセプトに作った重ね着するジャケットで、
これはコンセプトが気に入って買ったんだけど
よく似合っていたよね。
そのことを話しているとき、とても嬉しそうに話していたのを覚えていて
これは、手放すことができなかったんだ。
洋服には、人の思いが宿るんだよ。っていつも教えてくれた。
だから、私も高い洋服を買う時には、
自分の思いが宿る服としてふさわしいかどうか
考えながら買うようになったよ。
今は好きな洋服が着られないけど
夢の中で思う存分新しいコレクションを楽しんでほしいな。
いつか、病床にあっても洋服が自由に着られる時代が来るといいね。
物より思い出っていうけど
思い出がものに宿ることも忘れてはいけないと思います。
今はサブスクや、リサイクルが普通だけど
自分にとって大切なもの、気持ちが宿っているものは
手放す必要はないと思います。
思い出は物と一緒にそこにいてくれるから。
大切なひとの大切なものは
そばにおいておけば優しい気持ちになれるしね。
また少し寂しくなったら
黒いジャケットを見て、少し笑おうかな。
今日も最後まで読んで下さりありがとうございます。