APURO INTERVIEW第3弾は、本校教育会会長でもいらっしゃいます李忠烈(リ・チュンリョル)氏にお話を伺ってまいりました。
【APURO INTERVIEW Vol.3:李忠烈会長】
■初めて本プロジェクトのお話を伺われた時の感想はどういったものでしたかー
初めて人工芝の話を聞いた時に自分は率直に素晴らしいなって思いました
人工芝の話は実は以前からもあったんですけれども、実際に人工芝をやるとなると本当に大変で、途中で挫折してしまった話がたくさんあったので今回、青商会のメンバーの目を見ていると「本気だな」と本当に思いました。
やはり一番いいのは心の内側の火が燃え盛ることだと思っていて、内発的動機って言うんですけど誰かに頼まれてやることよりも、やはり自分がやりたいと思ってやることというのは責任感もそうですし、思いの強さも圧倒的に違うので今回その青商会メンバーの本気度が表れた結果、実際にプロジェクトが進んでいるんだと思います。
■朝鮮学校は代々その想いたちが繋がってきたかと思います。そういった目線からするといかがでしょうかー
正直な話自分の世代よりやはり諸先輩方、特に在日1世の方々の学校への思いというか実際の行動というのは、スケールが大きすぎて比べものにならないくらい大きいと思っていて、もちろん2世の方々もこの立派な校舎を作り上げたことを見ても、自分が3世なんですけど3世には到底及ばないパワーだなとは思っています。
ただ自分たちにできることは何か考えることと、自分たちができることを着実にやっていくことで学校を守っていく、発展させていくことは可能ではないかなとは思っていて、その思いの部分は4世になっても変わっていないというところはいつまでも続けてもらいたいと思っています。
手法に関してはどうしてもその時代ごとに時代背景が違うこともあり発想も変わってくるので、その時その時その思いさえ消えなければいろいろな形になって代は継がれていくのではないかなと思っています。
■本プロジェクトに期待することはどういったことでしょうかー
ひとつは「学生にとっての教育環境」で、思いの部分も大事なんですけれども環境というのはすごい大事で、雑草が生えてしまうグラウンドよりも人工芝の方が圧倒的に環境は良いので、子供たちにとってもとても良いことずくめだと思っています。
■今回、「地域交流」ということも非常に大きなテーマに掲げています。その必要性についてどういうお考えをお持ちですかー
自分自身がこの学校を母校として卒業して社会に出て正直社会に出るまで、ほとんどの日本の人と接することなく生きてこれたというか、ある意味狭い世界で生きてきたけれど、自分はそれを振り返ってみて、日本の人が自分の国に住んでいるけれども頼るべき人がいなかったり、逆にうちらはマイノリティーだけど頼るべき人が常にそばにいて、これは自分が朝鮮学校を卒業したからだなと思っていて、ただそれに満足してしまうと視野が狭まってしまうのでそういう意味では意識的に社会に出て日本の人との交流を深めるようにしています。
■そう思うようになった理由はありますかー
日本の社会に溶け込んでいかなくてはいけないと思った1つの理由が、自分たちマイノリティーって日本の中で少数派なので、自分たちのことをわかってもらいたいという思いが特に強いと思っていて、ただ自分のことをわかってもらおうとする前に相手のことをわかることが大前提だなと思っているので、まずは自分を分かってもらう前にいつも相手のことを知ろうということで日本の社会に飛び込んだ経緯があります。
ただなぜそれをしたかというと最終的には自分のことをわかってもらいたい、日本社会において、在日コリアン・朝鮮学校はどのような立ち位置にいて、どのような存在かというところをわかってもらいたいところがあるので、最終的には我々のことをわかってもらいたい、朝鮮学校のこともわかってもらいたいという思いがあって日本の方との交流を深めています。
糸の切れた凧のようにそのまま飛び出してしまう人もいるんですけど、自分はちゃんとその凧の糸はちゃんと在日同胞社会の中に縛り付けられています。
■プロジェクトの先に、どんな未来像を描いていますかー
マイノリティーのことってのはなかなか世間に知られないというところがあって、茨城の朝鮮学校も同じで、茨城の朝鮮学校が2年後に(学校創立)70周年を迎えるんですけども、まだまだ日本の方に(存在を)知られていないところも実際あって、もっともっと開かれていければいいなと思っています。
もちろん学校の先生も生徒たちも頑張って朝鮮学校をもっともっとオープンにして、日本の方々に知っていただく努力はしているんですけれども、そういう意味ではその目的を達成する上での人工芝は非常に有意義な存在になると思っています。
人工芝、水戸市内に実際少ないところもあるので人工芝を多くの方々に使っていただくことによって朝鮮学校を知っていただき、またそこでいろいろさまざまな交流が生まれると思っているので私たちは日本人ではないんですけども日本の社会の一員なので、そういった意味でこれから朝鮮学校の生徒たちと日本の子供たちが仲良くしてくれればいいなと思っています。
■最後に、メッセージをお願いしますー
本当にクラウドファンディングを青商会の若いメンバーが構想を練って、実際にプロジェクトが始動している中において、まずはその若い世代たちがその後輩たちの思いをしっかりと先輩として後押ししたいなというところがひとつあります。
本当に想いがすごい強いので、必ず形になると思っているんですけれども、やはり一人でも多くの方の支援があってこそのその夢の実現ですので、そういう意味は自分自身はもちろんですけど自分が知っているメンバーに声をかけて、若い世代のメンバーの背中を押す人を一人でも増やせるように頑張りたいと思っています。
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APURO INTERVIEW Vol.4は、11月6日(土)頃配信予定です。