ローカル×ローカル別館「room5」の本棚を、いってつの「気になるあの人」にお願いをするプロジェクト。
本棚のお披露目は、2022年3月オープン時を予定していますが、noteでは選書本を数珠つなぎに紹介していきます。
プロジェクトの詳細はコチラから。
第3回のゲストは南伊豆にお住まいの吉澤 裕紀さん
選書のテーマはこれまでに引き続き「わたしとローカル」。
さて、吉澤さんのローカルはどんな世界でしょうか。
吉澤 裕紀 (HIROKI Yoshizawa)
1990年5月18日生まれ。東京都国立市育ち。大学に7年間在籍したのち中退、そのまま南伊豆町へ移住。
電気水道ガスは契約せず、生活に必要なものは無理のない範囲でつくっている。左官や竹細工、茅葺きなんかが性に合う。
現在、暇さえあれば、友人宅で茶室を建設している。南伊豆を出るときは、乞食として再出発するつもり。
自らの旅を通じて感じ取り、書き記したアイヌの生き様の片鱗
吉澤さんからご紹介いただいた本は、
『集落をゆく アイヌモシリの旅』(著:吉澤 裕紀)
なんと、ご自身で書かれた旅行記です。
「アイヌ」という主題を軸に、気の向くままにアイヌモシリ(=アイヌにとって「我らの土地」という意)を訪ね歩き、見たこと、聞いたこと、感じたことを時系列に沿って書き散らした、3週間の旅行記。自分が書いたものなので、その内容はまさに「私とローカル」でしかない。
主に北海道で狩猟採集生活をしてきたアイヌは、明治時代以後、シャモ(=和人)による開拓という名の侵略に伴って抑圧され、同化されていった。私たちは今や「北海道」を当たり前のように日本の一部として語るが、その歴史は高々150年でしかない。つい最近まであの雄大な大地を異なる民族が駆け回っていたと考えるだけでロマンを感じるし、その事実を抹殺してきた残酷さには思わずゾッとする。
アイヌモシリには今でも異国風の顔立ちの人は多いが、その文化や精神を受け継ぐ人は日に日にこの世を去っている。そう思い始めたら、居ても立っても居られなくなってしまった。具体的に何が知りたいってことはない。アイヌの生き様の、その真髄を、今のうちにほんの僅かでもいいから感じ取っておかねば。駆り立てられるように、私は海を渡ったのである。
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選書していただたた本棚は、別館オープンの2022年3月から公開する予定です。
吉澤さんの旅行記はまさにローカル×ローカルでしか読めない秘蔵の書かもしれませんよ。
ぜひ南伊豆まで足を運んでみてくださいね。