みなさんこんにちは!YSCグローバル・スクールです。
今回は、YSCグローバル・スクールでプロボノとして活動している住友商事株式会社社員の方による、学習支援体験記をお届けします。普段は、社会人経験を元にデータベース構築や情報発信などをサポートしているプロボノの方々ですが、2021年8月の夏休み期間を利用し、子どもたちのサマースクールで夏休みの宿題サポートを担当してくれました。ぜひお読みください!
*記事中のマスクをしていない写真は全てコロナ禍以前に撮影(写真:🄫Yuichi Mori)
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学習支援体験記
住友商事プロボノチーム:青木壮平
住友商事で食料ビジネスを担当する青木です。
今回は当社プロボノとしてサポートしているYSCグローバル・スクールにて行った学習支援サポート体験を共有します。
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住友商事株式会社が2019年の創立100周年を機に立ち上げた社会貢献活動プログラム、「100SEED」(ワンハンドレッド シード)。SDGsの目標4「Quality Education (質の高い教育をみんなに)」を共通テーマに、世界各地の住友商事グループ社員が中長期的な教育課題の解決に取り組んでいます。
日本における活動のうち、公益財団法人 日本国際交流センター(JCIE)との提携による「多文化共生社会を目指す教育支援」で、2020年より住友商事プロボノチームとスクールの協働が始まりました。
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勉強サポートを通じた居場所
朝からうだるような暑さとなった8月のある日、私は福生市の牛浜駅に降り立ちました。目指すはYSCグローバル・スクール福生教室です。今日は終日、日常業務から離れて、海外にルーツを持つ生徒たちの夏休み宿題サポートを行います。
午前は小学生の部。朝9時になると、まずベトナム由来の姉弟が学校の宿題を携えてやってきました。お姉さんは家庭科の宿題、弟は絵日記の作成に取りかかります。ときどき日本語の誤りを直してあげながら、宿題は無事に終了。
その後、周りの先生も一緒になって、黒板を使って絵しりとりをして遊びます。
「す」で回ってきた弟くんが、ヒーローの絵を描き始め、周りで「あれ?スーパーマン?スーパーマンだと最後に『ん』がついているからダメだよ!」なんてワイワイやりながら時間を過ごします(答えはスーパーヒーローでした)。
スクールでは子どもたちへの勉強サポートを通じて、居場所の提供も目指しています。こういった遊びも取り入れながら、日本語の単語学習にも繋げるというアイデアには感心しました。
オンラインでも宿題をサポート
10時半になると、スクールで準備しているオンライン上の教室に生徒が入ってきたとのこと。私は個室からオンライン教室に入り、マンツーマンで宿題の相談に乗ります。
白地図に都道府県名を漢字で書く宿題が出ているとのことで、彼女が持っている資料を画面に見せてもらいながら一緒に宿題を進めます。「栃木県の栃はどう書くの?」などと聞かれ、ホワイトボードを使って教えるのですが、普段あまり書かない漢字を間違いなく書かなくてはならないので、少し緊張しました。
12時に授業は終了し、子どもたちも元気に帰宅。昼休みに入ります。
子どもたちが自分で気づくことができるように
午後は中学生の部です。10人強の生徒が教室にやってきました。そのほか午前同様にオンラインでの宿題サポートも行われています。私は、バングラデシュ由来の中学2年生の男の子が持ってきた四則演算の宿題と、後ろの席の男の子の平方根の宿題を手伝います。
+、-という計算記号も、日本人の子どもには「たす、ひく」で伝わるでしょうが、彼らには「プラス、マイナス」のほうがわかりやすいかな、などと試行錯誤しながら、なんとか理解してもらおうと努めます。
難しいのはどこまで教えればよいのかということ。答えを言ってしまっては生徒のためにならないので、「あれ、ここはマイナスで合っているかな?」などと声かけをするなどして、自分で間違いに気づくように仕向けたりします。
横の生徒はプログラミングの宿題に取りかかっています。こちらは一人でできているようなので、ときどき「すごいね。おもしろいね」などと声掛けしながら、様子を見守ります。そして、少し歩いて中学三年生の女の子の漢字の宿題もチェックします。
自分の出来る範囲で、困っている人を助けられる世の中に
千客万来でまさにてんやわんや状態で過ごしているうちに、あっという間の16時。宿題サポートのお手伝いは終了となりました。中学生の部は、小学生の部よりももう少し学習支援に力を入れつつ、居場所づくりという観点も忘れない方針で進めているように感じました。
海外ルーツの子どもたちは言葉の壁で苦労しながらも、一生懸命勉強してその壁を乗り越えようとしています。そしてスクールの先生方も、子どもたちと真剣に向き合って成長をサポートしていることが感じられる、貴重な体験となりました。
世の中には、この先生方のように仕事として海外ルーツの子どもたちへの学習支援に専念する人もいれば、自身の仕事があるなどの事情で、そこまで自分の時間を注ぎ込めない人もいます。
人それぞれ、自分の出来る範囲で、困っている人を助けられる世の中になれば良いな、少なくともこういった海外ルーツの子どもたちが抱える問題を理解してくれる人が増えたら良いな…。そんなことを考えながら福生からの帰路につきました。