前回の部展「はじめての日常」から、もう一年が経とうとしています。
去年末、コロナの状況はとても悪化し、はたして年始に展示ができるのかどうか、分からない状態のまま制作を行いました。
展示会場の安全対策や観覧規則に従った開催方法を模索し、最悪、展示会場を閉鎖し、Web上でみせるという手段を考えていました。
緊急事態宣言が出るかどうかも、報道で一転二転する状況を横目に美術部員たちは全力で制作しました。
まさに展示タイトルにある「はじめての日常」を体現しながらの準備でした。
開催にこぎつけた矢先に緊急事態宣言が発令され、展示期間どのように開催するかを様々な方に相談もしながらの展示でした。
結果、最終日まで無事に開催しましたが、正月の池袋はお店も閉まり気味で夜8時にはメガホンを持った職員さんたちが人々を繁華街から追い出すような風景も見られました。
いつもなら駅から流れる様に芸術劇場に歩いてくる人たちはそこにはありませんでした。
そんな中、その状況に抵抗する様に結果500人を超える観覧者を集めました。
展示「はじめての日常」は、まさにその名の通り、日常の変容する中で行われた展示になったと思います。
そんな中、参加したアーティスト達の表現は非常に的を得た、今を表現する作品たちでした。
その作品たちが集まった会場は観る方たちに、展示のテーマを確実に伝える事になったと思います。
日常や常識の弱さ、危うさと、日常いかにちゃんと視ていないか、考えていないかが浮き彫りになりました。
そして、平凡なる日常の大切さ、日々を生きる事の奇跡的な偶然についても考えるきっかけになったと思います。
自然の大きな流れに抗ってきた人間はもう一度自分たちについて考えるきっかけを得たのではないでしょうか。
今回の「未知しるべ」は考えるきっかけを得た人々に何かを感じ、動くための道標になること、暗闇を歩くための灯りになることを一つのテーマにしています。
かといって、何か難しく理論を並べ立てる事ではなく、今を感じ何かを作る「表現者」たちが素直に自分の中からひねり出すものを皆さんにお見せできればと思っています。
美術部員たちが「未知しるべ」のタイトルに行きついたその後ろにはいくつもの「没タイトル」が眠っています。そのモヤモヤした残り火から違う形に生まれ変わった作品たちに出会えるかもしれません。
そんな作品たちと出会えるかもしれない今回の展示を是非応援してください!
よろしくお願いします!!