阿部梨園に入るまで、佐川の頭のなかでは農業と言えば農業政策や市場情勢、海外動向、または技術革新のことくらいしか思い浮かびませんでした。典型的な東大農学部卒者らしいマクロ脳でした(大きいことしか考えられない)。阿部梨園に入るときも「マーケットリサーチ!→ビジネスプラン!!→諸施策!!!」とか想像していたのですが、初日で捨てました。目の前には改善できるポテンシャルの山(=課題の山)があって、大きい話は二の次だとすぐわかったからです。
「農業政策や市場情勢、海外動向、、、」な情報は、僕も阿部梨園もシャットアウトしました。今でも全然わかりません。その分、阿部梨園は「小さいこと」に集中して変化を起こしてきました。「机を左から右に移した」ですら、何かメリットがあれば、1カイゼンと数えてOKと言ってきました。小さいといいことあるんです。
1. あまり時間がかからない
1. あまり予算がかからない
1. 難しい手法を必要としない
1. 複雑な思考を必要とがない
1. リズムが出る
1. すぐ結果が出る
1. 誰でも起点になれる
1. 実務実利に特化できる
GTD的にTODOとして片付けられます。チケット駆動開発でも、大きすぎるチケットを適度に分割します。
阿部梨園は小さい変化を楽しみ、小さい変化で弾みをつけて、今に至りました。生産者の皆さんにもそのような体験をしていただきたい。「農家は減る一方で日本の農業は元気がない」と言われます。目の前のポテンシャルを引き出し切って、立ち上がる生産者さんの姿を見ることができたら、希望そのものではないでしょうか。いち個人として、いち消費者として、そんな未来を期待しています。
小さいことができるようになれば、自然と大きいことができるようになります。そうなったときに、自分のやりたいことをどんどん実践して、農業界の希望の光になってほしいと願います。 c.f.「小さい事に忠実な人は、大きいことにも忠実であり、」(Luke16:10)
※ 局所最適という罠もありますが、それを考えたほうがいいのはずいぶん先のことです。
ただし、自分と向き合うことが条件
小さい変化は、自分と向き合わないと起こりません。何かのせいにしたり、大きい勝負して(るふりをして)、目を背けるのは簡単です。そして、一人社長でやってきた方にとってはなお、自分と向き合うのはかなり難儀です。弊園代表阿部はそこが肝要だとわかってくれていましたので、3年間必死に向き合って、自己変革してくれました。それが一定の成果に至った最大の勝因です。
ノウハウだけではもちろん不十分なので、自助コミュニティを作ったり、身近な専門家と協力し合ったりしてください。そして「小さい改善サミット」でつながり合いましょう。佐川もそういうサポートができるよう少しずつ立ち回りたいと思います。
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43日間という長いプロジェクト期間、お付き合いいただきまして誠にありがとうございました。年が明けましたら知恵袋の制作に力を注ぎたいと思います。中身でまた、みなさんを驚かせることができるよう、佐川自身も楽しんで取り組みたいと思います。たくさんのご支援、ありがとうございました。