おはようございます。里 洋平です。
本日は安納芋に起きている問題についてお話しさせていただきます。
今回、安納芋プロテインを作る過程で、これまで知らなかった安納芋の収穫量が半減しているというデータを目にしました。
令和2年度の収穫量は、前年比で54.2%減。
なぜ種子島が誇る名産品が憂き目に合っているのか、その理由を調査するため安納いもブランド推進本部へ話を聞きました。
(安納いもブランド推進本部では、全島統一の品質基準の作成やこれを実施・評価するための生産・出荷組織の設立等と併せ、品質基準を満たすための安心・安全な生産体制の確立に向けて取り組んでいます。)
安納芋の収穫量が半減している主な原因は、「基腐病(もとくされびょう)」という病気が原因です。
この病気にかかってしまうと、安納芋の茎が変色し、葉が落ち、最終的には芋自体も腐ってしまいます。
その上、基腐病が出てしまったその周辺の残渣(掘り取った後の残りカス、小芋、根、蔓、茎、葉など)を廃棄しなければなりません。
基腐病の原因であるカビは、水を介して周囲へ広がっていくと考えられております。
なので排水対策が重要とされています。
しっかり観察し、見つけ次第適切な対応をしなければ、基腐れ病は畑全体に広がり、せっかく大切に育てていた安納芋は廃棄処分となってしまいます。
その対策として、安納芋を植える前の”バイオ苗”や”種芋”の消毒や、予防薬の散布、こまめな見回りと疑われる株の抜き取り、そして病気が発生した芋や土壌に残る基腐病の糸状菌を減らすために残渣の持ち出しをお願いしています。
ですが、芋の生命力、持ち出しに限界があるので残った分は叩き込んで、分解促進するなどの対策を呼びかけています。
ただ、これらの対応は予防策であり、絶対的に有効な対策ではありません。
まだ発生の原因がはっきりと解明されておらず、農家の方々は頭を悩ませています。
基腐れ病の研究を続ける試験場の人員不足や予算不足も大きな課題です。
ただでさえ、安納芋は皮が薄くデリケートな品種ですから、そこに病気の対策が重なると高齢の農家では生産を続けることが難しくなってしまうでしょう。
我々安納いもブランド推進本部も、農家の方々へしっかりと伝わるような対応策の周知方法を模索し実践しながら、種子島の安納芋を守り続けています。
ー種子島が誇る名産品を守るために、たくさんの人々が試行錯誤を重ねています。
そんな方々にとって、私たちの取り組みが少しでも助けになれば…
VillageAIは、本プロジェクトにおける余剰金の一部を寄付するにあたって、基腐病についての聞き込みを続けています。
進展がございましたら改めてご報告させていただきます。