コロナ禍による急な経済環境の悪化で、経済的な困難を抱える子ども達とその家族はさらに厳しい状況におかれています。
J-WAVEこどもみらいプロジェクトと認定NPO法人フローレンスは、このようなご家庭や子ども達に、「こども宅食」をはじめとした今必要な支援を少しでも多く届けるべく、皆さんから支援金を募りました。
2022年2月23日をもちまして約80日間にわたるクラウドファンディングが終了いたしました。
期間中、2000名を超える、本当にたくさんの方々にご支援いただき、目標金額を大きく上回る総支援額 11,585,154円 を集めることができ、クラウドファンディングサイトの手数料を引いても支援金として1000万円を超える額を最終的に集めることが出来ました。本当にありがとうございます。4月にも一度、活動報告をさせていただきましたが、本日はその後の動きも含めてご報告させていただきます。
コロナ禍における子育て家庭の状況
新型コロナウイルス感染拡大前より、日本の子育て家庭の貧困率は高く、国内の子どもの7人に1人が相対的貧困であるといわれていました。
そんな状況の中を襲った、新型コロナウイルスの感染拡大という未曾有の事態は、特に経済的に厳しい状況に置かれるご家庭に大きな打撃を与えました。
内閣府が国内の子育て家庭を対象に行った調査では、新型コロナウイルス感染症拡大の影響により世帯全体の収入が減ったと回答した家庭の割合は、収入の低い家庭ほど高くなっています。
(引用元:内閣府 令和3年 子供の生活状況調査の分析 報告書より)
この状況を受けて、J-WAVEこどもみらいプロジェクトと認定NPO法人フローレンスは協働で今回のクラウドファンディングを立ち上げました。
クラウドファンディングの概要
東京のラジオ局J-WAVE(81.3FM)と認定NPO法人フローレンスが共同で企画・運営を行なったクラウドファンディングです。
自分たちの周りの大切な人へ温かな気持ち=LOVEをとどける冬のキャンペーン『PASS THE LOVE』の一環で、J-WAVEこどもみらいプロジェクト×認定NPO法人フローレンスが共同で運営。コロナ禍で表面化してきた、穏やかな日常を送ることが困難な子ども達とその家族への支援を目的としたオリジナルクラウドファンディングで、企画の趣旨に賛同したJ-WAVEのナビゲーターおよび、J-WAVEゆかりのアーティストの皆様と共に実施しました。一定額支援をいただいた方には、各出演者・アーティストからのオリジナルリターンが返ってきます。
【クラウドファンディング概要】
■目標寄付金額
500万円
■実施期間
2021年12月6日(月)~2022年2月23日(水・祝)
■資金の使い道
・経済的な困難などの困りごとを抱えるご家庭に食品・日用品の提供を通じて見守り支援を届ける「こども宅食」事業の実施
・低価格で利用できる病児保育「寄付によるひとり親支援プラン」の提供
・親子を取り巻く社会課題を政治に訴え、制度のアップデートにつなげる政策提言活動
をはじめとした、フローレンスの親子支援
・その他(リターンの送料、消費税、CAMPFIREへの手数料 など)
フローレンスの親子支援について
フローレンスは、「みんなで子どもたちを抱きしめ、子育てとともに何でも挑戦でき、いろんな家族の笑顔があふれる社会」を目指し、「親子の笑顔をさまたげる社会問題を解決する」ことをミッションに活動を推進する認定NPO法人です。
経済的に困難を抱えるご家庭への支援、ひとり親家庭への支援をはじめ、様々な保育・福祉事業や政策提言活動を通じ、親子を取り巻く社会課題の解決に向けて取り組みを推進しています。
【ひとり親支援拡大:低価格で利用できる病児保育「寄付によるひとり親プラン」をより多くの方に】
フローレンスでは、様々な形でひとり親家庭を支援する取り組みを行なっております。
2005年に、病気になったお子さんのご自宅に、経験を積んだ保育スタッフが訪問し、お預かりする訪問型病児保育を開始したフローレンスは、2008年から、フローレンスの病児保育でひとり親世帯の就労継続をサポートすることを目的に「寄付によるひとり親支援プラン」をスタート。皆さんからいただくご寄付を原資に、ひとり親家庭に低価格で病児保育を提供。8,400円のご寄付でひとり親家庭1世帯に病児保育を1ヶ月提供することができます。
これまでに1400人以上のひとり親家庭の子どもたちに病児保育を届け、支援実績は13年以上となります。ひとり親が就労を継続できることは子どもの貧困防止にもつながっていきます。
そんな「寄付によるひとり親支援プラン」の利用条件緩和を実現することができました。より使いやすく、より多くのひとり親家庭が利用できるようになりました。
ご寄付より実現できた支援拡大 ・利用期間が2年から3年に延長 ・入会時の年収条件の上限を引き上げ(400万円→500万円) |
通園バス置き去り防止装置の設置義務化を実現!もう子どもを置き去りにしない
2021年7月、福岡県中間市の保育園で、5歳児が炎天下、送迎バス内に約9時間置き去りにされ、熱中症で亡くなるという痛ましい事件がありました。それからわずか14ヶ月後の今年9月5日、静岡県牧之原市の認定こども園で、再び同様の悲劇が起きました。持っていた水筒は空っぽで、衣服を脱いだ状態で倒れていたという報道に、「生きたい」という子どもの叫びが聞こえてくるようで、胸が締め付けられます。
「もう子どもを置き去りにしない」
9月5日の事件発生直後より「置き去り防止装置の設置を義務化」に向けてただちに動き出しました。
まず2022年9月12日より、通園バスへの「置き去り防止装置」設置義務化と導入支援等を求める署名キャンペーンを開始し、全国4万人以上の方から署名をいただきました。
その後、署名を小倉子ども政策担当大臣に直接、署名をお渡し、そして10月12日に政府が2023年4月から全国の通園バスに、置き去りを防ぐための安全装置の設置を義務づける方針をまとめ、10月17日、事業者の負担が実質的にゼロになる財政措置を講じることが明らかになりました。
今回のような悲しい事件を二度と起こさないために、寄付者の皆さんの中にも、署名に賛同してくださったり、SNSなどで広めてくださった方が多くいらっしゃると思います。皆さんの声が社会をより良く変えていく機運となりました。
全国の子育て家庭に食支援を。「こどもフードアライアンス」2回目の配送を実施。
フローレンスでは、株式会社日本アクセスとともに、大手食品メーカー各社の協賛のもと、全国の子育て支援団体を通じて子育て家庭へ食支援を行う取り組み「こどもフードアライアンス」をスタートしています。
全国に支援者ネットワークを持つNPOと、大手食品メーカー各社とネットワークをもつ国内最大級の食品卸企業とが協働することで、非常に大規模な支援網が実現しています。
コロナ禍で経済的な困窮を深める子育て家庭を支援するため、2022年1月にフローレンスの連携団体である一般社団法人こども宅食応援団に加盟する全国65団体を通じて、トライアルとして約1万世帯へ食品を配送しました。
そんなこどもフードアライアンスの第2回配送を10月より実施しています。第2回配送では、こども宅食を実施する98の支援団体へ食品を配送し、順次約2万世帯に合計約24万食の食品をお届けします。
最後に、支援をお届けしているひとり親家庭の声を紹介させていただきます。
・DVで別居中です。仕事を始めたのですが保育園に通い始めてからしょっちゅう体調をくずすので、悩んでいました。もちろん子ども達のことは大切ですが一人親で仕事を続けられなくなることは死活問題なので、病児保育を受けられることで安心して仕事をすることができると思います。 ・ひとり親で、仕事の決算時本当に仕事が休めない時、経済的にも余裕がない中でどうしようか途方に暮れていた時にこちらのひとり親サポートを知りました。 東京の病児保育は17時に必ずお迎えに行かなければいけないので、実質正社員で働いている私には無意味です… こちらのひとり親サポートを受けられるだけで、子どもの体調不良の予兆にビクビクしなくて済む…絶望的な気持ちから肩の荷が降りるような希望になります。 ご支援いただき本当にありがとうございます。 ・去年いきなりひとり親になってしまいました。父親が逃げてしまって、予定じゃなかった人生を送ることになってしまいました。娘がその時は2歳でした。私はアメリカ人なので、家族が日本の中で全くいなくて今までずっと困ってました。娘が必要なもの全部一人で買わないといけない人生なので、仕事に行くのが特に重要です。助けてくれる人々がいることを分かると、このプログラムがあることで、なんとなく家族がいるような感覚です。一人じゃなくて、成功して欲しい誰かがいることで、頑張れます!心から感謝しています。ありがとうございます!! |
これらのひとり親家庭支援、生活に困難を抱える家庭への支援は、皆さんからいただく寄付を原資に実施しています。
今回のクラウドファンディングで皆さんから託して頂いたご寄付は、引き続き上記のような活動を含め、長引くコロナ禍で苦しい状況におかれる親子を支援するために、大切に使わせていただきます。
実施団体の紹介
・株式会社 J-WAVE https://www.j-wave.co.jp/
J-WAVE(81.3FM)は、東京23区をはじめとする首都圏域に対して放送しているFMラジオ局です。『声と音楽と行動で、多様な東京の風景を作る』をミッションに放送やイベント、Podcast事業などを通じてユニークかつ普遍的なコンテンツを提供することを心掛けています。またJ-WAVEでは、「FUTURE IS YOURS ~Imagine & Choice~」というメッセージのもと、よりよい未来の実現に向けて、地球環境や社会のことを考えるきっかけとなる様々な取り組みや、ヒト・モノ・コトを、放送を通じて届けています。
2030年までに持続可能でよりよい世界を目指す国際目標 SDGs に賛同し、J-WAVE はSDG メディア・コンパクトにも加盟しています。
・認定NPO法人フローレンス https://florence.or.jp/
「親子の笑顔をさまたげる社会問題を解決する」をミッションに様々な保育・福祉事業や政策提言活動を展開する認定NPO法人です。低価格な病児保育の提供などを通じたひとり親家庭の支援は13年の実績があります。経済的に困窮する世帯に食品を配送することをきっかけに見守りの支援を届ける「こども宅食」の活動を推進し、「こども宅食応援団」を連携しながら全国の支援団体へ立ち上げ・伴走支援を行っています。
■お問い合わせ
認定NPO法人フローレンス
担当:岩井・八木
メールアドレス:spr@florence.or.jp