紅花栽培と紅花染めコース2025春、土に蒔いた小さな種。やがて双葉が顔を出し、草を取り、間引きを重ね、夏には空に向かって凛とした紅花が咲きました。花を摘み、来年へつなぐ種を選び取り、季節の終わりには今年最後の紅花染め。工房の中は12月の冷たい空気に包まれながら、人の手と息づかいが静かな熱となって満ちるなかで、布に移る色は、その一日だけでなく、蒔いた日から積み重ねてきた時間そのものでした。この紅の深まりをそっと支えているのが烏梅。『延喜式』や『医心方』にも記され、千三百年前から紅花染めとともに受け継がれてきた梅の加工品です。今では日本でただ一つとなった製法が、紅の色を引き出し、色をとどめる役割を担っています。染め上がった布を見つめながら一年の歩みを振り返るひととき。日によっては、烏梅の力を食で味わう薬膳烏梅ランチ。またある日は、かまどで炊いたご飯を手で結んだ素朴なおにぎり。畑と工房、そして食卓まで。紅花を中心に、烏梅が寄り添いすべてがゆるやかにつながる時間でした。紅花は、育てることも、染めることも、すぐには答えをくれません。待ち、手をかけ、季節の移ろいを受けとめること。その積み重ねが、確かな色となって現れます。2025年の紅花栽培と紅花染めコースは、こうして静かに、豊かに、幕を閉じました。また来年、土に触れ、花を摘み、色を染める一年を、烏梅とともに味わってくださる方が増えますように。紅花の一年を、最初の種蒔きからご一緒しませんか。#紅花染め#紅花#栽培#烏梅#延喜式#医心方#万葉集#梅古庵



