先日、衣紋道山科流の若宗家・山科言親さんが奈良教育大学附属中学校で十二単の着装の出張授業をされるとのことで、特別に見学のお誘いをいただきました。十二単の着装を拝見するのは初めてで、中学生の皆さんと一緒に日本の宮廷文化に触れる大変貴重な機会となりました。この日の装束は萌木色や紅梅色など、春を思わせるさわやかな色彩。重なる衣の色の組み合わせによって、季節や自然を表現する『かさね色目』装束は美しく着飾るためだけのものではありません。色や形、着装の決まりなどから、その人の身分や官職、宮中での役割などを読み取ることもできたそうです。山科言親さんのお話が大変興味深く分かりやすいものでした。十二単という呼び名から、十二枚の衣を重ねる姿を想像しますが、実際の衣の枚数は時代によって異なり、より多くの衣を重ねていた時代もあったそうです。山科家は、平安時代までさかのぼる公家の家柄。宮中の装束に関わる役割を担い、その知識や技術を代々受け継いでこられました。着装を担われたお二人の美しい所作。無駄のない動きと互いの呼吸を合わせる手際。長い年月をかけて磨かれてきた技術を感じました。装束を彩る紅色の表着には梅の紋様が織り込まれていました。千年を越えて受け継がれてきた紅色を、今も烏梅が支えています。千年以上前の文化や技術を、現代に再現できること。言語が残っていること、それを支える知識や技術を受け継ぐ人々が今もいること。奥深い文化と長い歴史に触れ、日本への誇りを改めて感じる時間となりました。貴重な機会をありがとうございました。#十二単#山科流#装束#烏梅#梅古庵




