世界各国の障がい者のアートに関わる方を集めて「アート・インクルージョンと多様性に関する国際シンポジウム」オンライン(英語) を行いました。
公益財団法人 関西・大阪 21 世紀協会 万博記念基金の助成金事業で、本来ならフィリピンで開催する予定でしたが、コロナによるロックダウンにより、オンラインでの実施となりました。
一日目は「アジアにおける芸術、インクルージョン、多様性」
参加国 シンガポール、マレーシア、日本、ミャンマー、香港の事例が発表されました。
シンガポール、マレーシアの先進的な取り組みのほか、コロナや政治的な問題で苦境に立ちながらも活動を続けるミャンマーの取り組みが発表されました。
ミャンマーの車いすダンス
日本からは、昨年の12月6日にドイツ文化センターで行った、『音樂多面體』Express Diversity Concert (ダイジェスト版)の上映も行い。ました、
佐藤允彦(ピアノ)、大友良英(ギター)内橋和久(ギター、ダクソフォン)という強力なトリオに、国際的に評価されているダウン症のあるアーティスト新倉壮朗(ジャンベ) とが組む、自由な表現の演奏が披露されました。
二日目は 「社会におけるさをり織りの役割」
ということで、日本、カンボジア、ベトナム、香港、台湾、タイ、フィリピン、スウェーデン、イギリス、フランス、イスラエルからの活動報告がありました。
香港からは、簡単に楽しめる糸を使ったワークショップの実演がありました。
香港・フィリピン・日本が参加したバーチャルファッションショー
今回、延べ70名の参加がありましたが、時差の関係で深夜にも関わらず、エクアドルからの参加があるなど、障がいあるなし関係のないアートへのアクセスについての取り組みを共有しました。
フィナーレは、よくキャンプファイヤーとかで使われる「ともだち」中筋博治作詞・作曲を、日本語・英語・日本語手話・英語手話でみんなで歌いました。
中筋さんは、この曲をみんなに自由に歌ってほしいという想いから、JASRACにわざと登録をしていないそうです。どうにか本人と連絡を連絡をとってその真実がわかりました。
余談ですが、著作権を含めた特許というものは、本来なら科学、知識や芸術は人類共有の財産でみんなのものなのですが、それでは作った人の努力が報われないことがあるので、収益化したり使える人を制限したりということを「特別に許した」ものです。それで、アーティストが安心して創作活動ができているかというと、必ずしもそうではない現状があります。必要性は理解できるが機能できていないのではという疑問が、特にコロナ禍で感じます。
さて、コンピュータプログラムの世界ではオープンソースという概念が1998年ごろから現れましたが、技術を人類共通財産にする取り組みです。これは、人類の知の共有の一つのスタイルとしてとても有効だと筆者は考えています。このような会合を続けることで、アートの参加のそれぞれの経験を積み重ねてゆけたらと思います。
今回のクラウドファンディングは、困っている施設を助けるだけでなく、当事者の経験を共有する基盤づくりとネットワークの維持に使用します。
ぜひともご協力ください。