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単に通りすがりの皆さま、こんにちは!
チェロの長南牧人です。
今回はヴァイオリンなどの弦楽器についてお話ししてみようと思います。
ざっくり解説ですが、また違う視点からコンサートを楽しめるかもしれません。
今回のコンサートで使用される弦楽器は、ピアノ、ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロ、の4種類です。
分類しますとピアノが鍵盤楽器の打弦楽器、ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロが擦弦楽器です。
ピアノは発明された当時、鍵盤楽器の主流はオルガンやチェンバロ(ハープシコード、クラウザンともいいます)でした。
このチェンバロ、鍵盤に取り付けられた爪が上に上がる時にはじいて音を出す構造だったので大きな音がでません。
もっとも、当時主流であった他の楽器、擦弦楽器のヴィオラダガンバ属、撥弦楽器のリュートなども
繊細な趣のある音量でしたので、つり合いはとれていました。が、ヴィオラダガンバなどのヴィオール属やリュートは人間が直接弦をはじいたり、こすったりするので音に表情が付けやすいものであるのに対し、
機械的な構造で弦をはじくチェンバロは音に表情を付けるのが困難でした。
そこで音に強弱の表情が付けられる楽器、クラヴィチェンバロ・コル・ピアノ・エ・フォルテという楽器が発明されました。
ざっくりですがイタリア語でピアノとフォルテが出来るチェンバロ、という意味です。これが省略され「ピアノ」という名称が一般化しました。イタリア語でピアノは「弱く」、フォルテは「強く」という意味です。
みなさんはピアノ、と言った時にイタリア語を喋っていたわけですね!しかも「弱く」と。
「〇〇ちゃん、あしたレッスンでしょ!ちゃんとピアノを練習しなさい!」
「〇〇ちゃん、あしたレッスンでしょ!ちゃんと弱くを練習しなさい!」・・・となってしまいますね(笑)
冗談はさておき、次はヴァイオリン属にまいりましょう。
時は1550年頃、ヴァイオリン族は突如として現れたといわれています。しかも、どこで誰が作り出したのかもはっきり判っていません。
弓で弦を擦って音を出す楽器はイスラム文化圏が発祥、北アフリカのイスラム系ムーア人(オペラ オテロで有名ですよね)からスペイン経由でヨーロッパに伝えられたという説があります。レベックやフィドル、
リラダブラッチョ、ハーディーガーディーなどがありました。
その後、当時主流であったヴィオール属よりも大きな音が出る楽器を、という事で発明されたという説がありますが
真相はわかりません。
ハーディーガーディーやヴィオラダガンバの演奏はこちらにあるので是非聴いてみてください。
初期の頃は、今のヴィオラに近いサイズの楽器が作られた、と言われています。その後、自然と便宜的にそれぞれ標準のサイズが決まってきたようです。今では数ミリから数センチの差はありますがヴァイオリン、ヴィオラ、チェロとも、いわゆる「標準」のサイズが決まっています。
今回のコンサートでは使用されませんがコントラバスという弦楽器があります。ヴァイオリン属が歴史上、突如現れたのに対しコントラバスはヴィオール属の末裔と言われています。四度調弦や楽器の構造もヴィオローネ(大きいヴィオール)と同じです。
それに対しヴァイオリン属は五度調弦、楽器の形状も違います。
ちなみに、先程申しましたリラダブラッチョはイタリア語で「腕のリラ」ヴィオラダガンバは「脚のヴィオール」という意味です。
腕に持って弾く、脚で挟んで弾く、のでこの名称になったようです。
イタリア語で脚はガンバ、「頑張れ~!」と言うとイタリア人には「脚~!」と聞えてしまうかも知れませんね(笑)
イタリア語のガンバ(gamba)は、フランス語ではジャンブ(jambe)ジャンボン(Jambon)スペイン語ではハモン(Jamon)、スペインバルで生ハムはハモンセラーノとか言いますよね、ハム(Ham)は豚の後脚、ヴィオラダガンバと聞くとハムが食べたくなるのは僕だけでしょうか・・・だけですね。
脚で挟んで叩く打楽器、ジャンベも、語源的に関係あるのでしょうか?情報お持ちの方ご教示ください。
言葉ネタの余談ですがお菓子の「ミルフィーユ」、日本語の発音では別な意味となってしまうので、
最近気の利いた洋菓子屋さんは「ミルフイユ」とか「ミルフォイユ」と表記するようになってきましたね。
おっと、かなり話がそれてきてしまいましたので今日はこれくらいにしておきましょう。
次回は僕も非常に興味があるのですが皆さんもきっとそうだと思います、ヴァイオリンやチェロ、ヴィオラなど弦楽器のお値段について触れてみたいと思います。テレビ番組でも盛んに高い楽器と安い楽器の音を聴いて当てるのをやっていますよね。
もしなにか音楽の事や楽器の事、ご質問がありましたらメッセージにご記入ください。可能な限りお答えしていこうと思います。