皆さまこんばんは。
温かいご支援、応援に心から感謝いたします。そして今日も活動報告をご覧頂きありがとうございます。
ヴァイオリンの村松伸枝です。
横浜では昨日、桜の開花宣言ニュースを聞いたはずでしたが 今日の冷たい雨に桜達もびっくりしていますね。
そしてタイトルで皆さまを驚かせてしまいましたが「文楽」ファンの私から昨年の「ある出来事」をお伝えしたいと思います。
その「ある出来事」の前に……
「人形浄瑠璃文楽」は日本を代表する伝統芸能のひとつで 太夫、三味線、人形が一体となった総合芸術です。
ユネスコにより2003年「人類の口承および無形遺産に関する傑作」として宣言され、2008年には「人類の無形文化遺産の代表的な一覧表」に記載されました。
私はお友達に誘われたのがきっかけで、年一回位のマイペースファン歴20年になります。
人形一体を三人の人形遣いが操る、世界でも例を見ないもので人形の微妙な動きはもちろん豊かな心情表現に、いつも魅了されます。そして語りの太夫と義太夫節の情を担う三味線は対等な立場で競演をしながら物語を組み立てていきます。その緊迫した呼吸の積み重ねは圧巻です。もしまだご覧になっていらっしゃらない方は是非 味わって頂きたいと思います。
その「文楽」にコロナ禍の為 2年も足が遠のいていた昨年の7月、私は半蔵門の国立劇場に出向く事になりました。それは「文楽」を観に行く為ではなく、
「文化芸術関係者向け職域接種会場」となっていた国立劇場にワクチン接種の為でした。
接種会場があの伝統芸能の聖地「国立劇場」という事が接種日まで半信半疑な私でしたが
それは現実でした。
集合時間に劇場前に行くと 文化芸術関係者のグループが それぞれに集まっていて、いつもの劇場前とはまるで様子が違います。
検温 消毒をして劇場内に入り順番に手続きが終了し ホール内に入ると…あの人形達のステージがカーテンで区切られ 手前が 問診エリア、そしてその奥が接種エリアになっていました。誘導して頂きステージに向かって左側から恐る恐るステージに上がり(土足厳禁かしら?と一瞬心配した私)問診、接種も無事終了してステージを降り接種後の待機場所はホールの客席。いつもの太夫の語りと三味線の音は無く、静まりかえったホールの光景とステージを歩いた感触は一生忘れられないと思います。そして多方面の方々のご協力、ご尽力で あの時期に職域ワクチン接種が出来た事に本当に感謝をしております。
昨年は貴重な体験をしましたが今年は 3年ぶりに大好きな「文楽」を観に 半蔵門まで出かける事を楽しみにしています。