旧加古川図書館については、度々ネットニュースで見ておりました。
また、母校が加古川に所在していたため、加古川近隣は、いまでも"地元"のように思っています。
古い知り合いもまだいます。
コロナ禍で職を失ったものもいます。
プロジェクトで掲げる「助け合えるシステム」は、
文化財の保護以外にも、実際に困っている方や、逆境に挑戦する方への援助を目的としています。
これは、理学療法士としての経験が元になっています。
そして、医療・福祉従事者として感じるのは、
みんながバラバラな時にこそ、集まれて・話し合えて・助け合えるシステムが必要だということです。
①集まる、②話し合える、③助け合える、の3点は、建築物の本質的な役割だと考えています。
今よりずっと昔、まだ人間が原っぱで火を囲んでいた頃、
木を伐り、石を積み、何やら構造物を作るものが現れ始めたのが建築の原型です。
そこでは、集まって、話し合えて、助け合えることが当たり前でした。
ザハ・ハディドや安藤忠雄など、何やらすごい建築物が現代にはたくさんありますが、
その全てが、より良くしようとする人間が人間たりえる欲求が含まれていると思っています。
そして、根底には建築物の本質的な役割が存在します。
旧加古川図書館においては、置塩章先生の『加古川の文化を担う』という希望と願いから、
設計されております。
建築物の本質的な役割である、①集まって、②話をして、③助け合える、という3点に
『加古川の文化を担う』という意思を含ませたコミュニティを構築する。
これが、不肖ながらわたくしが考えた
『建築物の役割をデジタルプラットフォームに置き換える保存』、
旧加古川図書館[デジタル化保存]となります。