2022/02/09 16:45

私たちにいはま森のようちえんでは、ワクワクを見つけ、「楽しい」に没頭できる幼児期を過ごしてもらいたいと考えています。 



「濡れちゃうよ」

「寒いよ」

「汚いよ」

「危ないよ」

そんな大人の声かけが、子どもたちの体験の機会を奪ってしまいます。


「順番にね」

「早くして」

「他の子がいるでしょ」

そんな大人の声かけが、子どもたちが五感を使うことを妨げてしまいます。


「きれいだね」

「どんな音がする?」

「あれ見てごらん?」

「なんだと思う?」

そんな大人の声かけが、子どもたちが自由に感じる幅を狭めて、体験の意味を一つに決めてしまいます。


「すごいね」

「じょうずだね」

「よくできたね」

そんな大人の声かけが、子どもたちの世界に評価や効率、大人にとっての「意味あるもの」を押し付けてしまいます。



たとえば、

冬の海にやってきた1歳。

この子は今、「寒い冬の海はどんなものか」に出会っている瞬間かもしれない。

ひいては寄せる波を見つめているのかもしれない。


子どもたちが棒を拾い、水の中をかき混ぜる。

水の音に耳をすます子、

棒にあたる水の触り心地を楽しむ子、

水の中で葉っぱの揺らめくさまを見つめる子、

棒のしなりを楽しむ子、

魚の姿を探す子、

同じことをしているように見えても、それぞれがそれぞれの世界を過ごしています。


カレーうどんのために野菜を切る子も、どこから切るか、どんな大きさに切るか、どうやったら固い野菜が切りやすいのか、

子どもたちの頭の中でいろんなことを考えています。


潮が満ちてきて、岩場で水しぶきが上がる。波のひくタイミングを見て、奥まで走る。そして叫ぶ。



毎日一緒にいても、毎日違う。

子どもたちには子どもたちの世界があります。

大人の思考では理解しきれないほど、五感を使って、その瞬間を楽しんでいます。


子どもが何をやりたいと思うのか、そこでどんなことを感じているのか、そばで見ているのはとってもおもしろいです。

言葉や表情で、彼らの感じてることが伝わってきたとき、彼らのみている世界に感動します。


大人のちょっとの介入で、子どもの世界を狭めてしまわないよう、スタッフは日々、子どもへの声のかけ方、タイミング、距離感、いろんなことを考えながら、現場に立っています。

与えないからこそ生まれる自由な世界を意識して過ごしています。

好奇心や探究心、学ぶ心、感受性、表現力、知性、

すべてにつながる、今しかできない貴重な体験の積み重ねだと考えています。