千穐楽は東京公演、赤羽の寳幢院さんで無事にツアー全行程を終える事が出来ました。
39日間、なんだかあっという間でしたね。
そう感じるのもきっと殆ど酷い目に遭わなかったからだと思います。
どこへ行っても皆さん優しく親切にしてくれました。
だからといって笑い話がない訳ではないのでどこかでご披露する機会がありましたら期待していてください。
とはいえ炎天下や豪雨の中での移動は厳しくて足止めを食らった事もありました。
これは大変だったというだけであまり笑える様な話ではありませんね…。
そんな過酷な状況で自分が常に思っていたのは「これは『電波少年』の企画なんだ」と。
アポなしロケや旅の企画など言わずと知れた伝説のテレビ番組、私が子供の頃に大好きだった番組の一つです。
なんなら最初にお寺と交渉をする段階から既にそんなつもりでやっていたのかもしれません。
編集こそ後輩の花飛がやってくれていましたが企画、出演、撮影の全てがセルフ。
電波少年的『日本中の子ども達に落語を届けたい!』への挑戦です。
また挫けそうな時には音楽にも助けられました。
山道は危険で気を抜くと死ぬ可能性も当然あります。
そこでテンションをキープする為に一番好きなバンドである氣志團の楽曲はもちろん、猿岩石がヒッチハイクで旅をしていた時に爆風スランプがプレゼントした『旅人よ 〜The Longest Journey』をよく聴きながら走りました。
「広い宇宙の上を歩いてゆく、遠い遠い自分に出会うために
カッコ悪い道を選んだ男、カッコ悪い夢を選んだ男」
この歌詞が今の自分にもピッタリでした。
本来であれば落語家というのは自分から動かずに向こうから来た仕事をこなしていく。
「良い芸をしていれば黙っていて仕事が来るものだから」と。
世の中がコロナ禍になり初めてバイトを経験し、給付金で仕事の現状が回復するまで待つだけの暮らし…。
そんな時にダイノジの大谷さんから背中を押されクラウドファンディングで資金を集めて旅に出る事を決断しました。
同業者からは色々好き勝手な事を言われたりもしました。
「俺は出来ないね」「そんなの無理だよ」と何もやりもしない口だけの方々から。
かつては自分もそちら側の人間だったので気持ちは分かります。
でもそこにいる方がもっとカッコ悪かったでしょう。
そこから脱却する為に選んだカッコ悪い夢は確実に自分をカッコ良くしてくれました。
今、その夢を応援してくれた皆様にこの場を借りて改めて御礼申しあげます。
本当にありがとうございました!
P.S
来年は九州と四国でやります!