2022 年 3 月 11 日
ロシアによるウクライナ侵攻が始まって2週間余りが経過しました。日本からウクライナまでの距離は8千㎞余りと、東京から札幌までの距離820㎞の約10倍の距離です。この距離が近いのか遠いのか距離感に実感が伴わないからか、或いは平和ボケしているからか分かりませんが、日常的にTVやネット等で流される迫撃砲や空爆の映像にも、衝撃を受けることはあっても、痛みを伴うようなリアリティを感じることはありません でした。
然し乍ら、つい先日、スタッフの一人から、ポーランドのルブリンに住む学生時代の友人から、ウクライナの首都キエフから避難してきた母子の話を伺い、また生の携帯映像を見る機会があり、この8千㎞離れた異国での出来事に急にリアルティを感じるようになったと言う話を聞きました。
避難してきた母子によると、父親は51歳、母親は42歳、子どもは18歳の息子と13歳の娘の4人家族です。 父親と息子は事情があってキエフに残るが、母と娘だけは戦火を逃れて親戚を頼ってルブリンに疎開してき たとのことでした。
そのスタッフによると、急にリアルティを感じたのは、このご家族の年齢が近いからかもしれないとのこと。特に、20歳にも満たない息子が戦火に晒されたキエフに残ったこともそうですし、13歳とまだ幼い娘と母親 が、学生時代の友人と一緒に映っている映像が胸を刺したそうです。
NIMBYシンドロームと言う言葉があります。”Not in my backyard”の頭文字をとった言葉で、よく社会的に必要な施設としては認めるが、自分の居住地に建設されることには反対するといった態度や行動等を意味したものです。
ソビエト連邦が崩壊して今年で31年目。ロシアとウクライナの両国それぞれの言い分はあると思いますし、その是非をすぐに問うだけの知識も見識も持ちません。然し乍ら、犠牲になるのはいつの時代も戦争を始めたリーダーではなく、一般国民です。特に、何の罪もない子どもたちが犠牲になることは、如何なることがあっても許されるべきことではありません。
生きる力はまだ設立4期目で、決して楽な経営状態ではありません。また、IND FIELD横浜都筑整備に向け、 クラウドファンディングを始めるなど、まだまだ支援するよりも支援して頂く状況にあると言った方が正直なところです。然し、「すべては子どもたちのために」と言うモットーを掲げ、主に幼稚園児~中学生までの子どもたちと日常的に接し、その人としての成長を願う立場でもあります。
NIMBYはよくないが、されどこの経済状況で寄付するかどうかについて、全スタッフが議論しましたが、最後は「やはり人の痛みを見て見ぬ振りはできない」と言うことで、全員一致で寄付を決定致しました。と言っても、本当に少額で大変お恥ずかしいお話ですが、10万円だけSave the Childrenを通じて子どもたちへの人道支援に寄付させて頂くことに致しました。この10万円も、現場スタッフの血と汗と涙の結晶ではあります が、元を辿れば、子どもたちの保護者様から頂戴した尊いお金でもあります。この尊いお金が戦火に苛まれる子どもたちの救済に少しでも役立つこと、一刻も早くウクライナ情勢が落ち着き、世界に平和が戻ること、子どもたちを含むすべての人々に笑顔が戻ることを心からお祈りしております。