以下、掲載される内容です。
「難治 帯状疱疹後神経痛を改善する」本を、クラウドファンディングで資金を募り
出版します。
友和クリニック 宇土 博
私の専門は産業保健であり、長年、働く人の腰痛、膝関節症、頸肩腕障害(けいけんわんしょうがい)やうつ病やアスベスト塵肺など仕事に関わる様々な疾患の予防・治療に携わってきました。予防には、人間工学による働く環境の改善を、治療には、鍼(はり)・漢方などの東洋医学―新経絡治療を使用してきました。
そのため、友和クリニックには、腰痛などの筋骨格系の患者さんと並んで過労性のうつ病、職場で発生した脳卒中、パニック障害や不眠症などの脳神経系の疾患の患者さんが多く受診されるようになりました。その結果、新経絡治療は、筋骨格系の疾患だけでなく、脳神経系疾患の治療にも大きな効果を示すことが明らかになりました。
帯状疱疹後神経痛は、末梢神経の神経痛であるとともに中枢神経系に痛みが記憶される中枢神経系の神経痛でもあります。そのため、帯状疱疹後神経痛には、末梢神経系の治療だけでなく中枢神経系の治療にも大きな効果を発揮する新経絡治療が最適な治療と言えます。
帯状疱疹後神経痛は、CRPSという外傷性疼痛症候群と並び最も難治の神経痛の1つであり、西洋医学的な有効な治療は有りません。そのため、多くの人が痛みに苦しんでいます。
新経絡治療は、神経痛に苦しむ患者さんに希望の光を与える治療です。
最初の治療例は、2008年に受診されました。友和クリニックの治療をTVのニュースで知った娘さんから、父親が帯状疱疹後神経痛で苦しんでいるので、ぜひ治療をお願いしたいと連絡がありました。
74歳の男性の方で、左側背部~胸部・腹部にかけて帯状疱疹の痛みがありました。2008年3月に発疹が出たため、抗ウイルス薬を内服して発疹は改善しましたが、痛みが取れないため、4月19日~5月11日まで入院され、左胸部帯状疱疹後神経痛と診断されています。治療により少し痛みが取れましたが痛みのために眠れない状態が続いたため、病院では、後遺症を覚悟するように言われました。娘さんの紹介で2008年6月24日、当院受診されました。発疹からすでに3ヶ月が経過し、難治の帯状疱疹後神経痛に進行した状態でした。左腹部には、帯状疱疹の痕があり、腹部を締め付ける痛みのため不眠が続いていました。左の背中の強い痛みも残っていました。2回の新経絡治療で、痛みが少し軽減し、6回の治療で背中の痛みが軽減し、7回の治療で腹部の痛みが改善しました。
それまでは、痛みが酷くTVが見られない状態が、9回の治療で痛みが半減し、TVを視聴できるようになり、旅行に行きたい気分と話されました。25回治療で、ほぼ痛みが完治し、治療を終えました。このように難治の神経痛が、速やかに改善し、その効果に驚かされました。
その後、多くの帯状疱疹後神経痛の方を治療してきましたが、難治の神経痛の9割以上が速やかに改善されます。このような難治性疼痛疾患の治療経験を基礎に、2011年7月に、難治性疼痛疾患、難治性疾患、発達障害の治療を掲げて新経絡医学会を設立し、治療の研究を行ってきました。
帯状疱疹および帯状疱疹後神経痛の概要
図1は、帯状疱疹および帯状疱疹後神経痛の仕組みを示したものです。ヒトヘルペスウイルスの水痘・帯状疱疹ウイルスは、主に5歳以下(90%) の幼児期に感染して、一旦治癒し、ヒトの脊髄神経節に潜伏感染します。この潜伏したウイルスが多くは成人になって疲労などによる免疫低下で再活性化し、皮膚に帯状疱疹を生じます。この時の痛みが長引くと、帯状疱疹後神経痛を引き起こします。
帯状疱疹後神経痛は、CRPS・外傷性疼痛症候群と並び、脊髄後角―痛みを伝える知覚神経が脊髄に入る部位に「痛みの記憶」を起す最大の難治性疼痛疾患です。
新経絡治療は優れた治療であり、多くの難治性疼痛の症状を改善させることができると考えています。この治療を世の中に広く知らせ、1人でも多くの帯状疱疹後神経痛の方の手助けとなることを願って、本を出版します。皆様のご支援をお願いします。
クラウドファンディングについて
CAMP‐FIRE というクラウドファンディングで出版資金を募っています。
以下のURLをPCに入力して、CAMP‐FIREの画面に入って下さい。
皆様のご協力を宜しく願います。
https://camp-fire.jp/projects/view/550314