今回は2枚看板のうちの1つ、バスクラの曲目紹介です。今作に収録される作品のうち、一番知名度の高い1曲です。そして、今作中唯一のアレンジ作品(元々バスクラのために書かれたものではない作品)です。それでも何故取り上げたかと言うと、一言で言えば名曲だからです。それでは紹介いってみましょう!
Song for Ina / P. Sparke
フィリップ・スパークといえば吹奏楽を演奏される方で知らない人はいないと言ってもよい有名作曲家です。来日も多く、自作自演の演奏会で目にする機会も多い方ですが、僕も日本、韓国で共演させていただきました。
このSong for Inaですが、元々はユーフォニアムのために書かれています。日本では最初「アイナの歌」として発表されましたが、現在では原語の発音通り「イーナの歌」と表記される事が多いようです。イーナさんは、この曲を委嘱した人の友人の奥様で、全編に渡って愛に満ち溢れた作品になっております。
特筆すべきはやはり旋律の美しさなんですが、個人的には和音進行における偽終止がツボ過ぎてたまりません。長調の和音進行から最も落ち着く主和音にいかないで短調の和音を経て全終止に持っていくというアレです。冒頭のワンフレーズからこれが炸裂するのが何とも良いですね。
ユーフォニアムのように華やかにはいきませんが、バスクラならではの温かさが表現出来ればいいなと思っています。後ほどご紹介する三浦くんへの委嘱作品とは対極となる、究極の癒しを体感していただければと思います。