ラオス事務所スタッフからメッセージ、第2弾。紙芝居『これはジャックのたてたいえ』の中の”推し場面”をご紹介しますスアイさん(上記写真)「”私はこのぼろぼろふくのおとこ”の場面がお気に入りです。この貧しい男性が、ひとりぼっちの娘に恋をするというところが好きです。そして、愛し合う彼と彼女が無事に結婚し、ハッピーになれることが良いですよね!」昨年結婚したばかりのスアイさんらしいですね。北部ホアパン県出身で、兄弟が多く生活は大変だったけど、近くにあった「子どもセンター」によく通っていたそうです。そこで、当会が出版した『カンパーと小さいお化け』の本を読んで好きになり、センターでの音楽やスポーツの活動も楽しむようになりました。この頃の体験が今の仕事の原動力になっているとのことです。まさに「本との出会いが世界を広げた」子どものひとりです!チャンシーさん「私は”つるつるあたまのぼくしさん”の場面を選びました。このつるつる頭のおじいちゃんが一番愛らしいキャラクターだと思います。そして、若い二人を結婚させるのも、愛があふれていて好きですね。」今、世界中が厳しい状況にある中、私たちのこの活動に注目しご支援をいただいておりますこと、こころより感謝申し上げます。募集期間の終了まであと少し、ご協力をいただけると幸いです。
図書館 の付いた活動報告
この取り組みも、残り1週間となりました!今回出版したい絵本と紙芝居の絵を描いた、やべみつのりさんを、いまいちどご紹介します。みなさんは、紙芝居というと昔懐かしいものと思うかもしれませんが、昨今は「KAMISHIBAI」として、海外でも広がっています。3月20日の朝日新聞にも掲載されましたが、フランスのとある図書館では、紙芝居の舞台を「魔法の箱」と呼ぶそうです。(記事はコチラ)紙芝居は、1990年代以降、ベトナムやラオスを皮切りに、海外に広められてきました。そのラオスでの普及を担ってきたのが、やべみつのりさんです。1995年から8回に渡りラオスを訪問。その光景、人びとの暮らし、子どもたちの様子をみて、「子どもの頃の懐かしい風を感じ、ラオスが大好きになったそうです。そこで、紙芝居を紹介し、セミナーを開催するうちに、「紙芝居のタネはラオスの大地に根付いていきました。」 ラオスで紙芝居セミナーで話をするやべさん(右)2002年2月前述の新聞記事にも書かれていますが、紙芝居の最大の特性は、演じ手と観客が向き合い、コミュニケーションをとりながら演じられることにあります。演じ手と観客の間、観客同士の間に、作品世界への“共感”が生まれ広がっていくのです。この共感のメディアとしての特性を活かし、最近日本では、高齢者施設などでの活用も広がり、平和や防災のメッセージ、地域の伝承を伝えるものなども作られているそうです。ラオスでも、この“共感”が広がり、ラオス伝統文化のスーンという詠唱とも結びつきました。 また一方で、絵本は「心の中で、個の感性を培っていくもの」です。環境絵本『ぼくはどこへいくの』は、ラオスと日本で話し会い、取材を重ね、構想を練り、6年がかりで作りました。やべさんは、「ラオスの市場などで感じた、いのちのドキドキを描きたい」と思い、この作品を作りました。子どもたちひとりひとりが、絵本を読む中で、自らに向き合い考える力を培って欲しいと願っています。紙芝居と絵本、それぞれの良さを子ども達に届けたい ラオスの未来をになう子どもたちのために、ご協力をどうぞよろしくお願いします。
ウイルスや戦争、さまざまな脅威と立ち向かわなくてならない現代。どんなところで暮らしていようと、情報を得て、自ら考え、行動する力が必要となっています。その“力”は、生きる上で欠かせない「ライフスキル」です。そして、その力=識字力を得るための一歩となるのが“絵本”ではないでしょうか。ラオスは50もの民族が暮らす多民族・多言語国家です。家庭ではそれぞれの民族の言葉を使いますが、学校では、公用語であるラオス語(ラオ語)で授業がおこなわれます。母語とは異なる言語の教科書を使って、学ばなくてはならず、厳しい状況ですが、ラオス語を習得しなければ、進学することもできません。好むと好まざるとに関わらず、ラオス語を習得することが、ラオス社会で生きていく力となるのです。(休み時間に教室の前で遊ぶ子どもたち)ラオスに暮らす少数民族のひとつ、モン族の村の小学校を訪問した時のこと。この学校の児童は全員モン族の子どもたちで、教員も半数以上がモン族出身でした。私たちが最初にこの学校を訪問した際、図書室の建物と本棚はあるものの、本が雑然と置いてあるだけで、あまり使われていない様子でした。(図書室の外観)子どもたちに質問すると、もじもじとしていて、返事がなかなか返ってきません。インタビューに付き添ってくれた先生は、「この子は、まだラオス語で上手く答えられないの」と教えてくれました。この時は、図書室や図書のさまざまな使い方を先生達に伝えて訪問を終えました。その後、約1年後に同じ学校を訪れたところ、驚く変化がありました。最初の訪問時、子ども達は図書室に入っても、多くは絵を見ながら頁をパラパラとめくっているだけでした。 本を読んでいる子も、指で一つひとつ文字をたどり、声を出しながら読んでいるような状態でした。子どもが文字を覚えたての頃や、大人でも外国語を勉強し始めの頃など、このような読み方をしていませんか?ところが次の訪問では、指は使わず、すらすらと読んでいて、黙読している子どもも増えていました。絵を見るだけだったり、文字をたどっていた子どもたちが、本のおはなしを楽しんでいる様子に変わっていました。インタビューでも、好きな本を尋ねてみたら、タイトルが次々に出てきます。インタビューを受けているときにリラックスして堂々とラオス語で答えている様子に驚きました。「本を読むうちに、子どもたちがだんたんとラオス語が出来るようになって、授業もよく理解できるようになったのよ」と、先生達も嬉しそうに話してくれました。たった1年での大きな変化に驚きましたが、変化はこれだけではありませんでした。【次回へつづく】