まずはじめに
▼はじめにご挨拶
はじめまして。
私たちはOSOCU(オソク)と申します。
運営するのは創業140年を超える繊維業界の中小企業 谷健株式会社です。
歴代継続してきた商売と同様に、長く続けることに重きを置き、
あえてファストの正反対のゆっくりとした企画を意識した
「OSOCU(オソク)」という名前でプロジェクトを立ち上げます。
スピード重視の時代に逆らって、採算重視の流れから外れて、
シンプルに作りたいと思うものを作ります。
まずは「伝統を日常に」を掲げて企画していきます。
そして継続するための採算をどう合わせるか2018年に様々なカタチで挑戦します。
今回のプロジェクトは、その第2弾です。
名古屋の伝統工芸である「名古屋黒紋付染」を染師さんに依頼して、
真っ白な国産デニムで作られたジャケットを日本の伝統色で染める
ことに挑戦しました。
デザインも和の”羽織”をイメージし、気楽に着られることを
重視して企画しました。
▼第2弾の商品のご紹介です
伝統の染めや羽織と聞くとどのようなイメージが浮かびますか?
・高価な和服にのみ使われるもの
・高くて手が出しづらい
・古美術品のイメージで生活に馴染まない
また一方でこんな事を感じたことはありませんか?
・日本らしいジャケットってないのかな。
・日本のこだわりの品は欲しいけど、日常でも着回したい。
・色ってカタカナ表記ばかりだけど、日本の色もあると良いのに。
うんうん。今のノウハウで十分に解決できる!!
そして、こういう商品を開発しました。これが、第2弾の商品です!
その名も「和デニム羽織」です。
「和デニム羽織」とはデニムを古来のものと掛け合わせたイメージから作った
造語です。
ジャケットでも、コートでもない。気軽にどんなシーンでも活躍できる服という
意味で名付けました。
「素材である国産デニムの耐久性」と「伝統の家紋や藩旗をしっかりと染め上げる技術」
この2つを組み合わせたこの羽織は日常の中で、ガシガシ使って頂くことをイメージ
しています。
生地、企画、縫製、染め全て100%日本製にこだわりました。
▼染ってすごい!!!
名古屋黒紋付染は今から約400年前、戦国の時代の中、名古屋の藩士たちが
「自分たちのトレードマークをかっこよく旗や着物に入れてくれ」というニーズ
に応えた技法です。
時代のカルチャーや流れに沿う形で少しずつ変化していますが、当時とほぼ
変わらない技法を用いて、いまでも引き継がれています。
何百年もほぼ変わらない形で続いているって本当にすごい発明品だなと思います。
ちなみに、日本の伝統工芸品で、洋服に関係する「染」と、「織り」が
何種類あるのでしょうか?(Google先生に聞いてみました)
諸説あるのですが、48品目しかないんです。
その中の一つ、今回染を依頼させて頂いている「名古屋黒紋付染」もその一つで
日本の国の伝統工芸品にも指定されています。
藩の象徴でもある幟旗が色落ちなんかしたら、職人さんの首が吹っ飛ぶくらい
の時代に藩士たちから信頼され、雨の日も風の日も幟は耐え続けた染めの技術。
(勝手な想像ですが・・・)
染色時間も長く、しっかりと深みのある色に染まっているのが特徴です。
手間も時間もかかるため、現代ではほとんどが受注生産になっていますが、
人の手で作られた温かさと丈夫さ、美しい仕上がりは呉服業界でも高く
評価されて続けています。
▼他の染め方とはどこが違うの?
一般的な染方は、大きな窯の中に染料を入れ大量の製品を漬け込むのが主流ですが、
こちらの手法は、より深みのある色を出すため、一着づつ手作業で長時間窯に漬け
込んでいくのです。
生地の5%程の紅の染料を熱湯に溶かして染液を作り、それを染浴槽に入れて、
そこから目的の色に生地を染め上げます。
200~400%の濃度で染め、一昼夜身守りながら色の出具合を見極めて染め上がって
いくのです。
そして、色は伝統色の名称である「勝色」にしました。
勝色(かついろ)とは、黒く見えるほど深い藍色で平安時代から存在した呼び名。
「勝つ」と結び付けられた縁起のよい名前にしました。江戸時代には縁起物として
武士たちが愛好。「かちんいろ」とも呼ばれていた、昔から日本人に愛されてきた色です。
▼「生地」について
とにかく伝統品をガシガシ使っていただきたくて、丈夫でありながら、柔らかみ
のある風合いの国産デニムを使用しました。高級綿として知られるギザ綿を原料
に使用しています。
こちらのデニムは生産の都合上、販売が終了してしまった生地で、
このプロジェクトのジャケットも再生産はできない製品となります。
▼「縫製」について
縫製は、第一弾のシャツと同じく、私たちと同じ名古屋で、60年以上会社を
営まれている田中衣料製品さんに依頼しています。
今回も若手の職人さんと何度も打ち合わせをさせて頂きながら一つ一つ
丁寧に進めていきました。
いつものことながら、昔ながらの工場にはない明るい雰囲気と対応には
ただただ感謝です。
▼「ボタン」について
ついついおざなりになりがちなボタンにもこだわりを詰め込みました。
わずかな部分ですが、広島の伝統的な生地でくるみボタンを作りました。
「備後節織」
広島県指定の伝統工芸品で、備後地方で江戸時代に生まれ160年以上の歴史を持つ
備後絣から派生したブランドです。
旧式のシャトル織機で、ゆっくり織り上げるため、機械1台で1日に30mほどしか
織れないのですが、その分たっぷりと空気をふくんだ、ふんわりとした生地が
生まれます。
現在は、織元が2社しかない、希少な生地です。
▼これから100年以上続く伝統を気軽にまとえる羽織を開発する!!
私たちは、これまで主に製品を仕入れる立場でメンズ・レディースの様々な服を
取り扱ってきました。
様々な変化を乗り越えながら100年以上の歴史を繋ぐことができたのも
諸先輩方が常に新しい変化に取り組み受け入れてきたからだと思っています。
今回は私たちが長く続くものを考える良い機会となりました。
・染色は400年以上続く”名古屋黒紋付染”の技術を受け継ぐ
「山勝染工」さん
・ボタンの生地は160年以上の歴史を新たな取り組みで広める”備後節織”を手掛ける
「番匠」さん
・縫製は60年以上続き、近年新しい取り組みとして縫製職人の育成に取り組まれる
「田中衣料製品」さん
長く続けてきたものを組み合わせ、これからも長く続くアイテムの原型が出来た
と感じています。
▼「和デニム羽織」の特長
・見た目は、素朴で何か懐かしくもあるデザイン
➡和テイストのジャケットという感覚です。
・ON,OFF着用できます
➡デニムですが、カジュアルすぎないのでシーンを選ばず着用できます。
・直販というメリットを最大限生かす
➡小売店を通さないことによってコストを抑えた価格になっております。
・しっかりとした深みのある染まり具合
➡伝統色の勝色で染め上げました。
▼伝統品をアップデートする
「江戸時代の人ってガシガシと伝統品を使っていたよね?それをいま、さりげなく着たいよね?」
開発のきっかけはこのシンプルな想いからでした。
元々、伝統品って、飾り物でなく、機能的で、生きていくためのアイテムだったはずです。
そう、伝統品の本質は「日常で使えてタフなもの」
江戸っ子が、今、新しい時代の半纏を作ったら?
機能を生かしつつ、きっとこんな羽織を作るでしょう。
それが、トレンドとは逆の発想から生まれた「和デニム羽織」です。
▼リターン商品のご紹介です
今回リターンとして、この「和デニム羽織」を1枚お届けします。
※写真は180cm60kgのモデルがMサイズを着用しています。
見た目はジャケットですが、和のテイストを感じていただけるように、
衿幅を少し小さくし、ポケットも最小限に。
飽きのこないデザインで日本伝統をさらりとまとうことを意識しました。
サイズ感は少しゆったりめにしておりますので、ゆるりと羽織って頂ければ
と思います。
<サイズ>cm表記
<ボタンの種類>
備後節織の①~③柄よりご指定いただけます。
①大名縞 濃紺(モデル着用柄)
②細か乱れ
③太節 濃紺
▼最後に
今回このジャケットを企画したのはOSOCUメンバー「清水」です。
普段は婦人服の企画営業を担当しています。
最後に少しだけ、このプロジェクトへの想いを書きたいと思います。
アパレル業界には次から次に生み出されるトレンド、その中には全く売れない洋服
も多々あります。
こういった洋服は、皆様もご存じだとは思いますが、格安で販売されたり、廃棄処分
されたりしているのが現状です。
一見華やかなイメージもある業界ですが、誰にも愛されない洋服が生まれていくという
現実があるのも事実のです。
十数年業界に携わる中で、このような業界の当たり前に疑問を日々感じていました。
どうにかして誰も無理をせず、心地のよい方法で好きな洋服を愛せる形を作れないか
と思いこのプロジェクトを立ち上げました。OSOCUのコンセプトにもある”良いもの”
にできれば、と思います。
特別なことをするわけではないですが、この取り組みに一人でも共感していただければ
幸いです。
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