2022/04/22 18:27

マルヤ水産の初代 増田弥平が明治22年(1889年)水産卸売業をはじめてから133年経ちます。今はこの屋号をマルヤ水産社員全員が引き継ぐ思いで「四代目弥平」のブランドを掲げて干物の製造・販売をしています。

先代が原料の安定供給のため、いち早くヨーロッパ産アジに注目しました。今もマルヤ水産のアジ干物の8割り近くはヨーロッパ産です。年に2、3度は沼津産のアジの干物も製造して販売しています。これは鮮度がいいので食感もいいですが、やはり脂分は少なめ。本当はもっと沼津産や県内産のアジを使って干物つくりたいけれど、県内産のアジでは脂分10%を越えるものがほぼありません。脂の少ない魚で干物をつくると、身がバサバサで真っ黒になってしまう。養殖アジでも試作しましたが運動量がたりないのか、身がしまっていない。養殖アジも改善されていると思いますが、うちは天然のアジでつくっていきたいですね。

今は健康志向なので昔よりは塩分濃度を下げています。塩汁を5度以下で管理しながら、つけた魚の旨味成分が溶け出た塩汁を繰り返し使っています。乾燥機は温風除湿乾燥なので、干物の表面をふっくらと仕上げます。

私は若い時から値段が高くても綺麗で美味しい干物を届けたいと、ずっと研究してきました。その知識や経験を今の若い世代に伝えていきたいし、若い世代が干物業界をどうしていきたいかも聞いてみたいと思っています。


(株)マルヤ水産
 代表取締役社長 藁科正美