【応援コメント】
ドイツで来年開催される世界演劇祭のディレクターを務めていますが、スタッフ・アーティストとの契約時には、必ず「あらゆる差別やハラスメントを積極的かつ予防的になくすための取組」の誓約書へのサインが義務化されています。私も演劇祭との契約時にこの誓約書にサインすることで、自分の権利が守られることへの安心感と、演劇祭に関わるすべての労働者の権利を守ることの責任の重さを再認識することができました。
人々の意識は、自発的な「心がけ」だけではどうしても限界があります。具体的なアクションや制度を整えていくことで、慣習の中に刷り込まれた差別にメスを入れることができます。
JFPの活動は、まさにそうした具体的アクションを映画界から仕掛けていくものであり、心から応援しています。
相馬千秋(世界演劇祭2023プログラム・ディレクター)
【相馬千秋:プロフィール】
NPO法人芸術公社代表理事。アートプロデューサー。
演劇、現代美術、社会関与型アート、VR/ARテクノロジーを用いたメディアアートなど、領域横断的な同時代芸術のキュレーション、プロデュースを専門としている。過去20年にわたり日本、アジア、欧州で多数の企画をディレクション。その代表的なものは、フェスティバル/トーキョー初代プログラム・ディレクター(2009-2013)、あいちトリエンナーレ2019および国際芸術祭あいち2022パフォーミングアーツ部門キュレーター、シアターコモンズ実行委員長兼ディレクター(2017-現在)、豊岡演劇祭2021総合プロデューサーなど。2015年フランス共和国芸術文化勲章シュヴァリエ受章、2021年芸術選奨(芸術振興部門・新人賞)受賞。立教大学現代心理学部映像身体学科特任准教授(2016-2021)を経て、2021年より東京藝術大学大学院美術研究科准教授(グローバルアートプラクティス専攻)。