はじめまして。オーケストラ「アンサンブル・フリー」の指揮・代表を務めます、浅野亮介と申します。
私は元々、神戸大学交響楽団にてコントラバスを演奏する側でしたが、メジャーな楽曲だけではなく、あまり演奏会では取り上げられない「日の当たらない名曲」も舞台に上げたいと考えました。そのため、アンサンブル・フリーWEST(以下WEST)と、アンサンブル・フリーEAST(以下EAST)を立ち上げ、これまで十数年、自由に選曲した演奏会の企画と指揮をしながら以下のような特色ある活動を続けてきました。
・演奏機会の少ない楽曲の演奏
よく演奏される曲だけではなく、あまり生で聴くことが叶わない曲も含めた演奏会を企画しています。例を挙げると、日本を代表する作曲家である武満徹さんの「系図」や、芥川也寸志さんの「交響曲第一番」等を演奏しました。その際には、武満さん・芥川さんのご親族にもご来場いただきました。
・現代作曲家へ新作依頼、初演・再演
日本の大変優秀な作曲家の皆さまに新作を依頼し初演を行ってきました。さらに、曲の再演にも力を入れています。世界最高峰の音楽コンクールである「ジュネーヴ国際音楽コンクール」の作曲部門で1位となった、薮田翔一さんや高木日向子さんにも新作を依頼し、演奏しています。
・優秀な若手演奏家との共演
なかなか1位が出ない難関なコンクールとして知られる、ドイツの「ARDミュンヘン国際音楽コンクール」ヴァイオリン部門で1位に入賞された岡本誠司さんなど、優秀な音楽家の皆さまと共演しています。音楽家だけでなく、曲中の朗読に女優をお迎えし、コラボレーションをしたこともあります。
(...他にも才能溢れる音楽家と数多く共演をしており、できれば全員をご紹介したいところですが、それはまたの機会にとっておきます。)
“アンサンブル・フリーJAPAN” 設立に至った理由・使命
さて、なかなか舞台に上がらない音楽の1つとして、日本の作曲家が書いた「現代音楽」があります。これらは奏者が取り組むには技術的に困難であったり、楽器の調達が難しいことが原因です。ましてやオーケストラ規模で取り組むには予算的に困難なため、舞台に上げることが非常に難しいジャンルです。実際にオーケストラの現代音楽を聴いたことがある方は、ごく僅かと思います。それでも日本人による作曲は、非常にレベルが高いことを知ってもらいたいのです。山本和智さんのようなユニークな手法を取られる方もいれば、薮田翔一さんのように技術やセンスに優れた作曲家も沢山いるのです。
そんな優れた作曲家をもっともっと知っていただきたく、WESTとEASTでは作曲の依頼・初演・再演に力を入れてきました。職業ではなく音楽愛好家であるアマチュアオーケストラだからこそ、予算や時間に縛られず、自由に現代音楽を取り扱うことができました。また様々な業界の社会人が織り重なる社会的な良さもあります。
その良さを引き継ぎながらも、よりハイクオリティな演奏ができるメンバーによって現代音楽の演奏活動に取り組めば、世界そして後世へと受け継いでいくことが実現できるのではないか...その想いに至り、今回、プロ奏者および音楽を専門に学ぶ学生を集め「アンサンブル・フリーJAPAN」を設立いたしました。
アンサンブル・フリーJAPANの使命は、国内の優秀な作曲家の新作と、従来のクラシック音楽作品を合わせて世界中に発信していくことにあります。
しかし、やはり私たちの力だけでは継続的な活動が困難です。皆様の応援により、現代音楽を取り入れつつ、優秀なプロフェッショナル奏者による演奏会を「長く」続けていくことが可能になります。日本にいる「未来のモーツァルト」となりえる作曲家を世界に知っていただくことや、優秀な作曲家を多く輩出するためのチャンスを増やすことも可能となるでしょう。
すでに定評ある名曲ばかりを演奏しても、次世代の名曲は生まれません。伝統芸能は、脈々と受け継がれるものであり、新しいものを作っていかないと歴史も途絶えてしまいます。このクラウドファンディングにご賛同いただける皆様と、未来に残すべき傑作誕生の瞬間に立ち会う興奮を分かち合いながら、世界へ・後世へと音楽を紡いでいけたらと思いますので、ご支援のほど何卒よろしくお願い申し上げます。
現代音楽は、聴いていてもあまり面白くありません。なぜなら、どの作曲家も「今までにない感覚」を追い求めているからです。それを聴いて「面白い」とか「楽しい」、または「悲しい」とか「暗い」など、既にある言葉で表現しきれてしまう作品は駄作なのです。聴き手が「何とも言えない感覚になる」、「この作品はわからない」と感じさせる作品こそ、現代音楽の分野においてはすぐれた作品といえます。
「わからないもの」には、これから理解していく楽しみがあります。そして何より、その作り手である作曲家が私達とともに生きているわけですから、直接、教えを乞うことができます。
一流の作曲家は同時代において誰よりも新しい感覚を持っていて、自分の頭の中だけにある音を楽譜にして表に出してくれます。
100年前、音楽が不協和音の時代に入った時、多くの人は「こんなに汚い和音を書いて何がしたいのか」と訝りました。しかし、よく耳を澄まして下さい。今や映画やドラマ、ゲームなどに使われている私たちがよく耳にする音楽の中には、様々な形で不協和音が効果的に使われています。
最先端の感覚が私たちの身近なものになるまでには何十年もかかります。それが自然な形で降りて来るまで待つのではなく、積極的に聴き取りに来てみて下さい。もしかしたら何十年も後に身近なところから「あの時に聴いた音だ!」と思う音が聴こえてくるかもしれません。
・「継続的に」プロ奏者によるオーケストラを運営し、日本人の現代作曲家、若手音楽家の活躍の場をより多く作ります
年に1~2回、オーケストラの演奏会を開きます。将来的には月1回の頻度で上演し、オーケストラだけでなく、室内楽の演奏会も開きたいと考えています。若く才能のある日本人の演奏家が、優れた日本人の作曲家の作品をどんどん世界中に発信していける仕組みを作り、なるべく定期的・長期的に、たくさん音楽家が活躍できる場をつくり上げたいと思っています。
・演奏会と動画配信によって広く世界中の方々へ広めます
今後は演奏会にとどまらず、英語対応をした上で動画などのデジタルコンテンツをインターネット上で配信し、現代音楽やアンサンブル・フリーJAPANの演奏を世界に広めていきます。
参考:アンサンブル・フリーWEST/EAST YouTubeチャンネル
・現代における作曲について親しんでいただける機会を増やします
私たちが今すぐできることとして、邦人作曲家を身近に感じられるような機会を提供します。今回のクラウドファンディングのリターンにも、作曲をしてもらうコースをご用意しています。将来的には、現代音楽の講座(作曲家に講師を依頼)も開催できればと考えています。
2022年5月31日(火):クラウドファンディング開始
2022年6月20日(月):「アンサンブル・フリーJAPAN 室内楽コンサートvol.1」を実施
2022年7月15日(金):クラウドファンディング終了、感謝メールを発信予定
2022年7月中:プレミアムチケットを発送予定
2022年8月10日(水):「アンサンブル・フリーJAPAN 第一回演奏会」を実施
2022年9月中:公演報告
2022年10月以降:クリアファイル、CD、スコアを順次発送、作品の委嘱仲介・全国演奏会の企画も順次スタート予定
ご支援いただいた資金は下記に充当させていただきます。
◆コンサート実施に向け、ホール、リハーサルスタジオの使用料
◆演奏家への演奏料
◆楽譜購入費
◆楽器運搬費
◆今後の新曲委嘱料
◆チラシ、プログラム制作
◆コンサートスタッフ人件費
◆リターン制作費
*目標金額は第1回演奏会の必要経費である250万円とし、足りない部分はアンサンブル・フリーのメンバーでお金を出し合います。目標の250万円を超えた場合は、次回以降の演奏会に充填させていただきます。
演奏会概要
2022年8月10日(水)開演19:00(開場18:00) J:COM浦安音楽ホール
ハイドン:交響曲第1番
山本和智:ソロバン、打楽器、弦楽器のための《マーマレード》(初演)*
モーツァルト:交響曲第1番
ブラームス(旭井翔一編):弦楽六重奏曲第1番 作品18 [弦楽合奏版](初演)
*ソロバン独奏:西久保 友広(読売日本交響楽団 打楽器奏者)
何百年も昔の現代音楽が、現在のクラシック音楽です。この二つのジャンルは親子のような関係で、切り離すことができません。現代音楽とクラシック音楽の両方に取り組むことによって、過去から受け継がれる偉大な作品が現代に音になって甦る喜びと、未来に残すべき傑作誕生の瞬間に立ち会う興奮を皆様と分かち合いたいと思っています。
作曲家/山本 和智
アンサンブル・フリーは、各奏者と作曲家、そして指揮者との関係が濃(こま)やかでありつつも風通しの良い、プロやアマチュアといった枠組みを超えて「音楽」と真摯に向き合っている素晴らしいオーケストラであり、私にとっては非常に有り難い「思索の場」です。
またこのことは、若手の作曲家にとって「チャレンジの場」として機能しているとも言えます。作曲家———、特に若い作曲家にとってオーケストラ作品を書けるチャンスというものはそう簡単に巡ってきてはくれません。そのような中でこうした作曲及び演奏の機会を与えてくれるアンサンブル・フリーは、私たち作曲家にとって非常に重要かつ貴重な楽団と言えるでしょう。そしてひいては聴衆にとって「新しい音楽作品との出会いの場」となることは言うまでもありません。
クラウドファンディングを通じて、アンサンブル・フリーと多くの作曲家を応援していただけたら幸甚です。
アンサンブル・フリーJAPAN コンサートマスター/城所 素雅
私は日本人が日本の曲より西洋音楽を多く演奏していることに、以前から疑問を感じていました。もちろん西洋音楽には名曲がたくさんあることも周知の事実ですが、もっとナショナリズムに満ちた作品や、邦人作曲家の音楽が取り入れられても良いのにな、と考えていたため、浅野さんが邦人作曲家を大事に想い、活動されていることには、知り合う前から好印象を持っていました。
今回アンサンブル・フリーJAPANのコンサートマスターとして演奏することは大変嬉しく、この取り組みの今後の展開も非常に楽しみにしています。現代音楽を取り扱うオーケストラは少ないので、ぜひ「アンサンブル・フリーJAPAN」の応援をよろしくお願いいたします。
日本は古来より豊かな文化を持ち、明治維新以来、海外からも多くを吸収してきました。その結果、国内には数えきれないほどの優秀な演奏家、作曲家がおります。インターネットが普及した現代において、今度は私たちの国から文化を発信し、次世代のモーツァルトやベートーヴェンを輩出することは十分に可能な状況です。
アンサンブル・フリーJAPANの使命は、国内の優秀な作曲家の新作と従来のクラシック音楽作品を合わせて世界中に発信していくことにあります。将来性のある国内の若手プロ演奏家により結成されたオーケストラで、特に国内の作曲家を応援し、世に送り出したいと考えております。その使命を長く続けていくためにも、当団の方針にご賛同いただける皆様からのご支援が必要です。 私たちの次の世代、またその次の世代へと残る音楽文化を創出するため、皆様からの温かいご支援をなにとぞ宜しくお願い申し上げます。
ご不明点・ご質問等ございましたら、下記メールアドレスまでお問い合わせください。
お問い合わせ先(代表):efj22cf@gmail.com
<募集方式について>
本プロジェクトはAll-in方式で実施します。目標金額に満たない場合も、計画を実行し、リターンをお届けします。
最新の活動報告
もっと見る4月14日のアンサンブル・フリーJAPAN 第2回演奏会にお越しくださった皆様へ
2023/04/18 10:27こんにちは!アンサンブル・フリーJAPAN運営です。先日はお忙しい中、当団演奏会にご来場いただきまして、誠にありがとうございました。開演前のプレトークにいらっしゃった方には申し上げましたが、クラシック音楽には数多くの素晴らしい歌曲があります。しかし、ほとんどの歌曲はドイツ語、イタリア語、フランス語などの外国語で歌われます。それに対して、今回の高木日向子さん、薮田翔一さんの新作は「日本語で歌われて、ダイレクトに私たちの心に響く作品が欲しい」という私の希望を見事に叶えていただける作品でありました。私たちの演奏が皆様に作品の素晴らしさを伝えられるものになっていれば幸いです。なお、高木さんの新作のタイトルは作詞してくださった演出家の中谷和代さんによって初演終了後に「メゾソプラノと弦楽のための『生い立つ日に』」と命名されました。新作が初めて音になる瞬間に大勢の方にお立ち合いいただきましたこと、演奏者を代表いたしまして心より御礼申し上げます。 そしてメンデルスゾーンの弦楽のための交響曲第2番、旭井翔一さんに編曲していただいた弦楽八重奏曲では、弦楽器ならではの旋律美と活き活きとしたアンサンブルをお楽しみいただけるような演奏を目指しました。クラシック音楽と現代音楽は一つながりのジャンルです。200年前の作曲家から現代に至るまで連綿と受け継がれる音楽芸術を、これからも幅広く皆様にお届けできるよう活動してまいります。今後は、昨年末までに開催した室内楽演奏会の模様を順次、アーカイブ配信していく予定です。また来月5月21日には関西の豊中市立文化芸術センターにて、フリーJAPANのヴァイオリン奏者である千葉水晶をソリストに迎え、アンサンブル・フリーWESTがアルバン・ベルクのヴァイオリン協奏曲を演奏いたします。関西にお住いの方は是非、クラシック音楽と現代音楽のちょうど中間点にある傑作を聴きにいらしてください。【アンサンブル・フリーWEST 第36回演奏会】日時/2023/5/21 [Sun.] 開演14:00/開場13:30会場/豊中市立文化芸術センター 大ホール曲目バッハ (A.ウェーベルン編): 6声のリチェルカーレベルク: ヴァイオリン協奏曲*ショスタコーヴィチ: 交響曲第10番指揮: 浅野 亮介*ヴァイオリン独奏:千葉 水晶入場料/¥1,000[TEKET販売サイト] https://teket.jp/340/20322私たちは設立したてでまだまだこれから…という団体ではございますが、どうぞ引き続き応援のほど何卒よろしくお願いいたします。アンサンブル・フリーJAPAN 代表/指揮浅野 亮介 もっと見る
本日開催!アンサンブル・フリーJAPAN第2回演奏会
2023/04/14 07:45おはようございます!アンサンブル・フリーJAPAN運営です。いよいよアンサンブル・フリーJAPAN第2回演奏会が本日開催となります。是非会場に足をお運び頂けると幸いです。当日券もteketの以下URLより購入可能となっております。https://teket.jp/3556/20186なお、開演15分前(18:45)より、指揮者によるプレトークをおこないます。お早めにご来場頂いた方は、お気軽にお聞きください。皆様のお越しを心よりお待ちしております。アンサンブル・フリーJAPAN第2回演奏会<日時>2023年4月14日(金)開演 19:00/開場 18:00<会場>横浜市鶴見区民文化センター サルビアホール<曲目>メンデルスゾーン:弦楽のための交響曲 第2番 ニ長調 MWV N2高木 日向子:弦楽と歌のための新作(委嘱作品/世界初演)薮田 翔一:7つの弦楽伴奏歌曲(委嘱作品/世界初演)メンデルスゾーン:弦楽八重奏曲 変ホ長調 Op.20(旭井 翔一編、弦楽合奏版 世界初演)<出演者>オーケストラ:アンサンブル・フリーJAPAN指揮:浅野 亮介メゾソプラノ:石田 滉<チケット購入サイト(TEKET)>https://teket.jp/3556/20186<当団ホームページ>https://ensemblefree-japan.com/index.html#concert もっと見る
演奏のご依頼についてのご報告とご案内
2023/04/07 13:00こんにちは!アンサンブル・フリーJAPAN運営です。新年度となりました。今月から新しい生活が始まるという方も多いのではないでしょうか。さる4月1日、私たちはIT企業、働楽ホールディングス様のご依頼を受け、神田錦町にある学士会館で開かれた2023年度会社総会にて、弦楽四重奏の編成で演奏してまいりました。 1stVn 新井貴盛 2ndVn池田有沙 Va 村松ハンナ Vc 田辺純一設立20周年、および新入社員の皆様の門出に音楽を添えることができ、またご出席の皆様に大変満足していただき、とても光栄でした!これまでの私たちの演奏会にご来場いただいた方々、また今月4月14日の演奏会にご来場くださる予定の方々もいらっしゃり、このような形で私たちの活動を知り、応援していただけることを心強く感じております。自主公演として演奏会を開催するだけでなく、企業様、個人様からのご依頼も承ります。どうぞご用命ください! もっと見る
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