この作品に関わるようになってから、3年が経とうとしています。
また、震災からは7年という月日が流れました。
あの日を境に、それまでとは全く違う人生になった方も多いのではないでしょうか。
私は震災後、地元を離れ自分のやりたい道を決意したものの、
どこか後ろめたさを感じる日々が続きました。
しかしこの作品に出会い、震災のことを伝えるという役目をいただき、
また作品の力強さに背中押され、いつの間にかこの作品の主人公・大のように
生き甲斐を見つけ喜びを感じる自分がいました。
カンパニーとしては5年間、この作品を上演し続けており、
キャストの想いも公演を重ねるごとに強くなっています。
どんな時代でも世界各国で自然災害が起き、
悲しみの中で苦しんでいる方がたくさんいらっしゃいます。
特に日本は島国。自然災害の多い国です。
しかし、地球が生きている限り、人間の手でそれを止めることはできません。
そこで私たちが出来るのが
『いのちてんでんこ』なのです。
この言葉をたくさんの方に知っていただきたい。
そして、知るだけではなく、この言葉の奥にあるものに
心があったかくなる瞬間を見つけて欲しいのです。
この作品は、空想でも夢でもなく現実です。
その現実に人間の生きる力が詰まっています。
日本に留まらず世界中の方に届きますように。
劇場でお待ちしております。
雪役・片山千穂
福島県出身。幼少期からクラシックバレエを習う。16歳時にボリショイバレエ学校に短期留学。昭和音楽大学ミュージカルコース卒業後、音楽座ミュージカル/Rカンパニーに所属。在団中はすべての作品に出演し、好評を得る。退団後、地元福島でダンス講師となるが、東日本大震災の影響を受け再び上京し、舞台・ライブ活動・振付など精力的に活動中。