こんにちは、コザスタートアップ商店街(KSA)です!
ついにプロジェクト最終日を迎えました。ここまで支援してくださった皆さん、本当にありがとうございます!!!
様々な形でKSAに関わってくださっている人をインタビュー形式でご紹介していく本シリーズ、最後にご紹介するのは、株式会社MAIA代表取締役、月田有香(つきた ゆうか)さん。(写真右から2番目)
「SAP女子プロジェクト」「でじたる女子プロジェクト」という女性育成・就労支援プロジェクトを提供するMAIA。実はこのプロジェクト立ち上げのきっかけはコザでの偶然の出会いだったといいます。偶然の出会いからコンソーシアム発足に至った経緯や、沖縄で事業を生み出す可能性について月田さんに聞きました。
ITコンサル→ミュージカル女優→起業を経て生まれた、サービスの原型
ーこれまでのキャリアについて教えてください。
「大学では哲学科を専攻していましたが、就職で会計系のITコンサルをしていました。26歳になった時に、どうしてもミュージカル女優になりたくなり脱サラしました。小さい時から宝塚が近くにあって、よく母たちと観劇に行っていたこともあり、昔からの夢だったんです。1年間くらい訓練していたらオーディションに通って、全国津々浦々を回っていました。
旅芸人みたいな生活をする中で2010年に、演劇を活用して、企業研修や人のマインドセット、教育ができるんじゃないかと思い立ちました。役者は薄給だったので、役者が自分の力を生かして活躍できるフィールドってなんだろうと考えたときに「企業研修めっちゃいいやん」って思ったんです。
そこで、演劇を活用して、コミュニケーション、チームビルディング、ビジョン共有など実践する研修会社を立ち上げました。「チアーズ株式会社」といって、今は12期目です。
そのころ、結婚してキャリアを諦めざるをえなくて自分に自信がない女性が周りに多くいたんですね。優秀でやる気もあって真面目なのに、なんで日の目を見ないのかなと思って。
女性がもっと活躍できる世の中を作りたいと思う中で、あるご縁でRPA(Robotic Process Automation)を知ったときに、これは女性ができそうだと思ったし、工夫すればリモートでの育成もできるんじゃないかと考えました。「育成」も「就労」も、という今のサービスの原型を思いついたのがその時ですね。
子育てや結婚などでキャリアを中断した人、復職した人は100万人くらいいるんですが、2017年当時、女性活躍の環境はまだまだ整っていませんでした。彼女たちを育成して完全リモートで自分の好きな時間に開発に携わって高単価で働いたら、だいぶ自信も取り戻せるし自律していけるだろうなと思ったんです」
偶然の出会いから1年間で、コンソーシアムがスピード発足
ーコザには何がきっかけで来られたんでしょうか?
「MAIAのCSOが、Microsoft Baseが沖縄にもあるということで繋いでくれました。2020年の11月、GoToトラベルがとても流行っている時期で、沖縄にワーケーションに行ってみようと思ったのがきっかけです。恩納村でワーケーションをしていたんですが、せっかくだから行ってみようということでコザに行ったら、すごくたくさんの人がいて。
当時ラグーン代表だった豊里さん(いっちー)とは一度オンラインで話をしていたのですが、その時に上里さんや兼村さんも紹介頂きました。いっちーとは一緒にイベントを考え始めて「RPA女子プロジェクト」を始める準備もしていましたね。上里さんは市役所にお勤めだったので、RPA導入や業務改善などを一緒に考えましょうと話をしました。
そんな繋がりで毎月コザに通い、2021年4月に訪れたときにちょうど(商店街の多世代向け教育拠点である)Hanaわらびのオープンで、明日のイベントに出てくださいって言われて。そこで初めて、グラミン日本の百野さんとSAPジャパンの大我さんに出会ったんです。
全然縁もゆかりもない私たちがお互いの取り組みについて話す中で、「”SAP女子”は絶対やったほうがいいよね」という話になりました。ずっと沖縄に来続けていたので、貧困層の多さ、シングルマザーの多さ、低賃金労働など、沖縄の課題には触れる機会がありましたし、自然な流れでしたね。それではじめたのが「SAP女子プロジェクト」です。
9月のSAP女子1期目のときには、沖縄の5人の女性に無料モニターとして特別に受講してもらったんですが、勇気をもってジョインしてくれたことは本当に嬉しかったです。
SAP人材は全国で不足しているので、受講した女性に就労してほしいという企業が数社手を上げてくれています。一期生のうち、デロイトの子会社などに正社員採用された人もいて、84%がなんらかの形で稼働しています。
その後2022年5月15日に、MAIA・グラミン日本・SAPジャパンで「でじたる女子活躍推進コンソーシアム」を発足し、6月1日には愛媛県と連携協定を結びました。このきっかけが沖縄コザ。約1年前のHanaわらびの開校で、偶然コザにいて知り合ったという、なんとも奇跡的な出会いから始まっています。この1年間のスピードは本当に速かったですね」
コザは、都内にはない出会いを通してオープンイノベーションが起こる街
ーコザが他の街の違うところだと感じるところはどこですか?
「人の繋がりの濃さとディープさですね。Lagoonのすぐ近くにある「でんすけ」によく行きます。せんべろ文化、最高ですよね。
お気に入りスポットは、ゲート通り(米軍嘉手納基地の門から続く通り)。英語の看板も並んで「アメリカ!」という感じが他の日本にはないですね。
もうひとつ真面目な観点だと、沖縄市役所と連携が深いことです。市役所の人たちと出会えるケースが多々あって、沖縄市の課題もいろいろと教えてくれます。これだけ行政と近いことってなかなかないと思います」
-どんな人や企業にコザに来ることを勧めたいですか?
「チャレンジをしたい人ですね。コザはオープンイノベーションが起こる街。SAP女子・でじたる女子もコザをきっかけに、オープンイノベーションでできたサービスです。都内だったら絶対に会えないような人が、コザにはごろごろといます。都内だったら会社訪問などかたい感じで進むことであろうことも、コザだったらみんなフラットに一緒に飲んでますよね。人間関係もより深くなり、相互理解と信頼が進み、事業化に進んでいくような、特別なエリアです。いっちー、上里さん、兼村さんなどが、よそものに対して真心で迎えてくれて繋げてくれます。
沖縄で顕在化している課題って、日本の課題の縮図だと思うんですよね。しかも沖縄は、その課題を認識して、行政や関連団体がいろんな企業を巻き込んで解決しようとしています。それを推進しているひとつが、コザでなんでしょうね。
日本の課題を実践的な形で解決していく雛形になっていく。これが日本を変えるきっかけになるんではないかと思っています。コザでの成功事例を、日本に展開していってほしいです。
エリアが小さくコミュニティも狭いので、協力体制も組みやすいのも特別です。都内のスタートアップ界隈と比べても、環境は全然違うんじゃないかと思います」
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皆さんにコザの商店街の真ん中でお会いできることを楽しみにしています!