クラウドファンディングと言えば、ネット上で不特定多数の方から支援を募る、というイメージ。 その固定概念を打ち崩すべく、古湯温泉で、顔と顔を突き合わせ、この泊まれる図書館プロジェクトについての説明会を行いました。 集まっていただいたのは、地域で活動している仲間たちや、自治会長、旅館の女将さん、行政の方、などなど。 まずは、泊まれる図書館として活用する古民家を内見。その後、地域が抱えている問題や、「マチごと旅館」という仕組みについて、説明いたしました。 地域の猛者に集まっていただいたお陰で、経営的な観点からのアドバイスや、空間構成について、貴重なご意見をいただきました。それだけでなく、寄付という形で応援もしていただき、地元からの期待に応えたいと、さらに意を決した次第です。 クラウドファンディングを始めて、約1週間。現在、目標額の27%(=441,000円)まで到達しております。残りの期限は2週間ということで、まだまだゴールは遠いですが、引き続き、思いを届けるための努力を続けてまいります。記事のシェアやご支援など、引き続きよろしくお願いいたします。
プロジェクト公開時に伝えたかったけど、伝えきれなかった思いを、少しずつ発信していきます。おそらく長い編集後記のようなものになると思います。 湯治文化の復活 このプロジェクトの裏テーマは「湯治文化の復活」です。江戸時代の農民は、米の収穫が終わると温泉場に行き、1ヶ月ほど湯治を行っていたそうです。田植えから稲刈りの間、春〜秋にギュッと仕事をして、農作業で疲れた体を温泉でゆっくり癒す。 限られた時間の中で全力を出しきり、余った時間は自分のために有意義に使う。これって、現代のヨーロッパでいうところのバケーションだと思うんです。 たとえばドイツでは、6月後半から9月前半がバケーションシーズンで、この間にみんな2週間~1カ月の長期休暇を取るのが普通だとのこと。 日本人のオーバーワークは過労死という形で社会問題になっています。体の限界もそうですが、心の限界は外部から見えないから、さらに厄介。日本と同じく第二次世界大戦で敗れたドイツができるなら、日本もできないはずはない。 いっそ、みんなで江戸時代の農民に先祖返りして、長期休暇を取り、休んで蓄えたパワーを携え、その分、ギューっと働けばいいのではないかと思ってしまうのは僕だけでしょうか。 湯治=TOHJI=読治 現代の日本人は「体」と「心」の両面が疲弊しています。ゆっくりと温泉で体を癒す「湯治」と、ゆっくりとした時間の中で本を読み心を癒す「読治」の組み合わせ、すなわち、心と体を癒す現代版の「TOHJI」という文化の提案・実践の場として、泊まれる図書館が微力ながら貢献できればと考えています。 TOHJIは予防医療である 日本国内の医療費・介護費が右肩上がりであることは自明の事実。それはもちろん高齢化社会の宿命でもある。「病気を治すこと」、「高齢者を介護すること」はもちろん大事だけど、本当に必要なのは、そもそも病気にならない、要介護状態にならない、「予防医療」の考え方を積極的に取り組むことなのではないでしょうか。 TOHJIには予防医療としてのポテンシャルをすごく感じています。 このTOHJIを、ひとりでも多くの方に体験していただき、できれば3日とか1週間とか連泊して、長期休暇を取りリフレッシュすることができる社会になればいいなと切に願っています。