伊藤新道第二吊り橋は、伊藤新道河川部の中間部、湯俣川と南真砂岳から流れる唐谷合流部の直下にあり、ゴルジュになっているため、雨天時の増水幅が一番激しく、悠に4mほど増水する随一の難所で、岩に赤ペンキで書かれた「引き返す勇気、雨天の時」で有名な徒渉地点にあります。
伊藤正一の生前、ここに再度吊り橋を架けるか、高巻きでこなすか議論にもなりました。
正一が作道した70年前と状況は変わり、硫化水素に耐えうるステンレスのワイヤーが安価に手に入り、さらに岩のボーリングには電池式のドリルを使用し、ヘリコプターで資材を運べる条件からこの度吊り橋の架橋となりました。
ただし、伊藤新道最奥部の悪条件で野営も厭わず仕事をしてくれる特殊鳶の河東工業さんありきであり、参加してくださった職人、歩荷やベースキャンプの設営をしているガイド集団マウンテンワークスや、賄いのスタッフの総力戦となっています。
天候不順によるスケジューリングや、水量増加の判断等、現代においても自然との付き合いの難しさに変わりはありません!
12日からは更に奥地に歩を進め、第三吊り橋の架橋作業にかかります。