クラファンのメイン画像で、黄色いプルメリアのお花を頭に飾って登場しているのは、就労支援B型事業所まんまるスタッフの中村りつさん(Saoriさんのお母様)です。4年前に、Saoriさんが、まんまる事業所を開業するにあたり、「娘の力になれるのなら」と、調理スタッフとして働き始めました。開業当時は、昨年(2021年)に、亡くなった夫を自宅で4年介護しながらのハードワーク、74歳の時でした。
りつさんの作るお料理は、どれも美味しい奄美のオムニ(母)の味です。なかでもおば餅は、とても美味しい!と評判だった為、りつさんが、娘のSaoriさんに伝授して、商品化できました。りつさんは、ヨモギのおば餅もちを作る時は、一つ一つ、丁寧に綺麗なヨモギの葉を選び、選り分けます。「人様に買っていただくものだから…」と、りつさんは、いいます。
今年初めに、りつさんは、心筋梗塞を起こし救急車で運ばれ、幸い、大事には至りませんでしたが、その事がキッカケとなり、回復後、夫を介護していた部屋のかたずけを始めようと決心。重くて処分しきれなかった介護用ベットも処分できました。そのベットをみると、辛かった介護生活を思い出して、気分が落ちていたそうです。
心筋梗塞になったおかげ?で、保険金が少し出た事もあり「お金ならある」と、気持ちも軽く切り替わり、自分のために、新しいベットを購入しました。介護していた部屋も親族がリフォームしてくれ、78歳で、生まれて初めて、自分のための部屋を持つ事が出来、少女のように喜びました。
介護していた頃は、自宅に人を招待するのが気が重かったそうです。自分の部屋ができ、近くに住む姉妹を招待して女子会をしました。そして、しみじみ、「こんな日がくるなんて…」と喜びあったそうです。
私(sawawa)が、まんまる事業所で、りつさんに、アロマの足浴をさせていただいたときに、「こんなこと、やってもらって、いいのかい?」「あ、ぁ。しあわせ〜」と、穏やかで、とても美しい微笑みを浮かべていらっしゃいました。
りつさん世代の奄美の女性達の多くは、夫を立て、親族に尽くしてきた世代。自分に楽を与えることや、自分の為。となると、自分に許可を与えるのは難しく、いつも夫や子供たちが優先で、自分は2の次です。また、昭和、平成、令和と、世代間の価値観や様式が大きく変わり、戸惑いや、不安もましている昨今ですが、りつさんは、スイも甘いも乗り越えて経験してきた中で培われた、人としての在り方、心の成熟度が、とても高く、無条件の愛を、自然に体現していらっしゃいます。
まんまる事業所に、コロンコロンとなる、なりんの風鈴(まんまる・リターン商品)の音と共に、りつさんが、いらっしゃるだけで、優しさで見守る安らぎの空間が生まれています。