2023/01/09 10:17

昨年は大変お世話になりました。今年もどうぞよろしくお願い申し上げます。

年末年始はどのようにお過ごしでしたでしょうか。


年明け早々、目標金額の90%・450万円に到達し、みなさまのおかげで、とても良い年明けのスタートを切ることができました。本当にありがとうございます。

現時点で4,618,750円、290名の皆様にご支援をいただいています。

お一人お一人のご声援を受け、マームとジプシーの活動を今年も頑張ってまいります。


さて「Light house」について、「cocoon」に比べると全体での公演回数も少なく、作品についてよくご質問をいただくので、私たちがどのようにこの作品と向き合ってきたかを今回は少しこちらに書かせていただこうと思います。


「Light house」は、新しく那覇にオープンする那覇文化芸術劇場なはーとのこけら落とし作品として製作をしました。

「劇場」の幕開けを、暗闇に向けて光を発する「lighthouse=灯台」と形容することから構想が始まり、“今”という時間にフォーカスして沖縄を描いた作品です。

食卓というテーブルの上から始まる、姉弟とそのいとこの会話が、次第に沖縄の街並み、歴史や地理、そして今を暮らす方々の言葉へと繋がってシーンが展開されていきます。

作品作業を始める際、こんなにも水に囲まれた土地であるのに、水を得るためにとても苦労した歴史に興味を持ち、一般的に抱かれる沖縄のイメージとは違う部分をもっと見ていきたいと、“水の流れ”をヒントに沖縄を調べていくことにしました。

水源から始まり、滝、川、井戸、暗渠、そして海につながる流れを自分たちの足で辿る中で、北部の圧倒的な自然、人々の信仰、沖縄の気候を活かした営み、街と共にあるコミュニティの繋がり・生活文化など、あらゆる沖縄の“今”と“かつて”の時間に触れることができたように思います。そこには、もちろん「cocoon」で描いている戦争の時代と、その後を生きた方々によって紡がれてきたここまでの時間がありました。

「cocoon」をコロナ禍で延期したことにより、「Light house」を先に製作することになりましたが、結果、2022年の「cocoon」に大きく影響し、互いに繋がりが強い作品となりました。

沖縄でお仕事をされている方・在住の方々へのインタビューや対話の機会をいただき実感が伴った生の声を聞けたこと、また現代美術家の小金沢健人さん、植物染色家の橘田優子さん(kitta)、フィールドレコーディングエンジニア・東岳志さん、写真家・岡本尚文さん、装丁家・川名潤さん、ヘアメイク・赤間直幸さんなど、普段は舞台以外のフィールドで活躍されているクリエイターの皆さんと、一つの舞台作品を目指したことも、沖縄を複層的に描くことができた大きな要素だと感じています。

この作品には、様々な方の視点とあらゆる沖縄のシーンが含まれています。しかし、私たちが見聞きしたそれらは、どれも一つの沖縄という土地のことなのです。ぜひ、たくさんの方にご覧いただけたらと思っています。


2023年がみなさまにとって、良い年になりますようお祈りいたします。


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「Light house」の特設ページにて、フィールドワークとして実施した沖縄の皆さんへのインタビューなどがご覧いただけます。