2023/03/04 00:45

実際の実施日は前後するのですが、先日投稿した
「アメフト選手&チアリーダーと一緒にトレーニング!」のリターンを実施しました!
の第2回目として、2月26日 日曜日 品川CC BULLSEYESの練習にご参加いただいた 曽田さんの体験を報告します。ご本人は関西大学アメフト部OBであり、現在はプロカメラマンの傍らYoutuberの活動も行っています。トレーニングも欠かさず行っており、今でもベンチプレスは「調子悪くなって130kg」を献上するとのこと。

そんな曽田さんが、今回はご自身の練習参加体験をYoutubeで練習参加後、早速アップして頂きました!表紙の画像はそのトップ画面です。クラファン支援のお礼をするのは、こちらの方なのに、さらに貴重な映像も作成頂き誠にありがとうございました。

社会人アメフトチームの練習に参加体験してみた @ SODA Portrait (動画リンクあり)

ご自身のPosであるLBパートに参加し、40近く年の離れた選手と一緒のメニューをこなしました

関大出身 今年度副将を務める村澤選手に、現代のLBのMoveと曽田さん現役時との違いについてレクチャーを受けていました。

曽田さんの練習の模様や、練習に参加してのコメントは必見ですので、是非上記写真をクリックしてYoutubeにてご覧ください。


BULLSEYES 創部者の想い

さて、曽田さんにはもうひとつの顔があります。それは「BULLSEYES」の創部者としての顔です。まさに30年前、1993年に当時の松下電器産業株式会社(現パナソニック)の東京勤務メンバーであった曽田さんが「西がインパルスなら、東は僕らが」という掛け声で創部したのがBULLSEYESなのです。
今回練習に参加した感想と、最近の現役の選手のほとんどは知らない BULLSEYESの0→1の創部時の話を一気に書き下ろして頂きましたので、是非ご一読ください。


- 品川CC BULLSEYES という社会人アメリカンフットボールチームがチーム運営費用調達を目的にクラウドファンディングを行っていました。アマチュアスポーツであり、大手企業がバックにないクラブチーム、ましてや大人数のアメリカンフットボールチームを運営していく事は大変な事を知っているので、何かに協力しようと思いました。そして、クラウドファンディングのサイトのリターンの項目を眺めていました。何か面白そうな企画は無いかなという観点で探しました。すると「アメフト選手&チアリーダーと一緒にトレーンング」という様な内容のリターンを見つけました。ただ、わざわざその為に集まってもらうのも大変だし、できるだけ多くの選手やスタッフに会える方がいいかなと思い、通常のチーム練習に私が参加するのはどうでしょうかと提案しました。支援が目的なので、正直、何が欲しいとかリターンを期待していた訳ではなく、予定があえばリターンを受けようくらいの軽い気持ちでした。


そして練習予定日を伺い、自分の都合と合わせて、この企画が実現しました。昔、このスポーツをやっておりましたが、30年ぶりのアメフト体験であり、61歳の私が現役のアメフト選手とそもそも練習できるのかという事があります。人工芝の広いグランドに集合。そして、最初はストレッチから。そして、ランニングフォームを整えていく為にニーアップの練習、ペアを組んで、一人が押して負荷を付けながらのランニング。最後にダッシュという段階的な強度アップでした。チームトレーナーがリーダーシップをとってのとてもオーガナイズした練習プログラムでした。普段はダッシュなど行った事が無い私も足が攣ったりする事もなく、気持ちよく走る事ができました。


後半はポジションに別れたパート練習です。現役時代のポジションであるラインバッカーの練習に参加させて頂きました。アジリティー系のドリルやバックステップをしてのパスインターセプトの練習。技術的な面でも現在は私が経験した昔のフットボールとは随分違いました。基本スタンス、ボールの捕り方、ブロックの払い方等に関しても自分の時代の技術と異なっている事を知りました。選手達にフォームについてのアドバイスをもらいながら、練習プログラムに参加する事ができました。ヘルメットやショルダーパッドが無いので、一部コンタクト系の練習には参加できませんでしたが、シーズン最初で、基礎練習が中心だったので、ほぼ全ての練習を現役選手に混ざって行う事ができました。


無事、怪我をせずに練習を終える事ができました。当日の天候も良く、青い空、緑の人工芝の上で若者達と走り回り、汗をかき、心身共にリフレッシュする事ができました。構える事なく気軽に参加したクラファンのリターン企画でしたが、自分にとってはこの経験は思った以上に大きな財産となった事を終わった後に感じています。


練習に参加してのチームの印象ですが、選手、スタッフが明るく声掛けをしたりと明るい雰囲気で練習が行われていた事です。そして、時間が限られた社会人スポーツらしく、効率的、合理的にオーガナイズされたチームである事。例えば、週末の全体練習のみならず、ウィークデイの自主トレもオンラインやITツールを使ってチーム内で管理運営されている事です。そもそも自主性こそがBULLSEYES の原点なので、バックボーンが生き続けているなと感じました。


30年ぶりのアメフト体験ということもあり、色んな思いがフラッシュバックしながらの練習参加体験でした。時代の経過を感じ、気付き、再発見も多々ありました。ブルザイズの設立当時の事を書いてみます。私はこのBULLSEYES というチームを1993年の年明けに設立計画をし、3月中旬に最初の練習を開始しました。ちょうど30年前になります。スポーツは音楽やダンス同様に、練習だけでは目標がなく続きません。発表や表現の場、つまり試合が必要です。しかし、できたばかりの実績や体制の無いチームがいきなり社会人アメフト協会に加盟する事はできません。加盟の為の条件をクリアして申請してから認可が降りるまで時間がかかります。できたばかりのチームがそこまで求心力やモチベーションを持ち続ける事は至難の業です。そこで、協会加盟していない同様の社会人アメフトのクラブチームを探し、6チームの代表者を集め、リーグを作ろうと呼び掛けました。初回の打ち合わせで半ば強引にリーグ戦の日程と組み合わせまで決めたのを記憶しています。協会に所属していない独立系のチームだったので、Independentの頭文字で I リーグと名付けました。そして、偶然に、ちょうどサッカーのJリーグの最初の試合開催日と一緒の5月15日に I リーグの試合を計画しました。しかし、BULLSEYESはまだ、試合に最低限必要な11名すら選手がおりませんでした。ボール一つ無く、チーム運営費確保の為に後援会を作りました。そして、噂を聞いた私の当時の勤務先の女性社員がチアリーダーをしたいと言ってきて、彼女達は会社の都市対抗野球のチアリーダーをしていたメンバーそのままだったので、すんなりとチアリーダーができました。周りから体制ができてしまって、試合まで日数が無いのに、肝心の選手は人数不足。会社の人事にアメフト経験者がいて、BULLSEYES のメンバーになってくれた為、アメフト経験者を社員ファイルから検索してもらい、一人ずつ説得して、入部してもらいました。それでチームは初戦を無事、予定通りにソニーソリッドステートというチームと試合する事ができました。


1993年創部 初の対外試合 ソニー戦後の記念写真


そもそも、私がこのチームを設立したきっかけはある思いからでした。当時は社会人スポーツといえば実業団、企業チームが中心でした。ただ、企業チームというのは圧倒的な財力の上に体制も成り立っていますが、会社の業績やトップ人事によって、ガラリと体制が変わるという脆い一面もあります。よく野球、バスケットボールやバレーボールの実業団チームが突如、解散というニュースが当時ありました。そして、大男の選手達がなす術もなく、泣きじゃくってた映像が流れていました。私はなぜ、スポーツを通して課題克服してきたトップアスリート達が何もできないのだろうと疑問を持ち、社会の中でスポーツ以外に一体、何を学んできたのだろうかと残念で仕方ありませんでした。そして、企業の業績やトップ人事に左右されずに、純粋にスポーツを通しての取り組みをしたい人のみが参画するクラブチームを作ろうと思いました。それで行動に起こしたのが、BULLSEYESの設立でした。課題は運営資金、練習場所の確保、発表の場である試合相手の確保、求心力のあるリーダー発掘でした。そして何らの企業の後ろ盾の無い中、課題に対して具体的な取り組みを選手、スタッフ自らが行ってきました。これがこのチームの歴史の一歩目です。


当時、私がメンバーに口癖の様に言っていた言葉が、「暗いと不平を言うよりも、進んであかりをつけましょう」です。(オリジナルはカトリック教会の布教番組のキャッチコピーの様です。)それをチームのコンセプトとして取り組んできました。


曽田さんの言葉が結実した事例の1つが、ホームグラウンドづくりです
1993年の創部当時、ホームグラウンドが無かったBULLSEYESは会社グラウンド上部の、身の丈の雑草が生い茂った遊休地に目を付け、毎週末 草刈り・整地を続け、半年後ついにグラウンドを作り上げました。当時この取り組みは”Field of Dreams”計画と呼ばれました。


人はなぜ、不満があるのかというと、最初に期待するからです。その期待からレベルが下がるとそのギャップに失望し、不平不満を感じます。BULLSEYES は最初から何も無いチームで自分で作り上げなければ前に進みません。逆に言うと、期待が無いので、失望も不平不満もありません。期待していいのは明るい仲間達と人生の楽しい時間を共有できると言う事でしょうか。体制づくり、課題解決して前に進んで歩んで行く事をバリューと感じる選手やスタッフが純粋に楽しめるチームだと思います。取り組みスポーツに対しても企業名ブランド大好き、安定志向のメンバーには向いていないチームかもしれません。


このクラウドファンディングのリターン企画に参加して、設立当時の思いが選手、スタッフまで生き続けている事、自主的にチーム運営をしている選手、スタッフ達をみて、嬉しくて熱いものが胸に込み上げてきました。それはこの30年間、チーム運営に関わって来た多くのチーム関係者の歩んだ証であり、変わっていくべき事、変わるべきで無い事が切り分けられている事の重要性を再認識しました。 -

BULLSEYES 創部者 曽田 啓之