「わたしの未来家族計画」のクラウドファンディングを応援してくださったみなさん。プロジェクトオーナーの永井あやかです。
すべてのリターンの準備がやっと完了したので、改めてお礼を伝えさせて頂きます。あのときはまだ自分さえも形が見えてなかったような想いを、ただそのまま信じて応援してくださったこと、本当に本当に感謝しています。
わたしはクラウドファンディングを終えた後ロンドンへ引っ越し、ようやく自分の生活ができるようになってきたところです。この文章を書くにも想像以上に時間がかかってしまったのですが、わたしはこのクラウドファンディングを通して、そのプロセスでの大切な人たちとの対話を通して、自分の心を肯定することができ、ずっと心のどこかにあった深い霧のようなものがいつの間にか晴れていることに気が付きました。
クラウドファンディングによって実現にできた展示会「28歳のわたしの中の28人の家族」では、顔の見えない28人へ向けた詩を展示し、現代の家族を文化人類学的視点から見つめるトークライブを開催しました。
形になる前は自分でもどのような意味を持つ展示会になるのか想像できていない部分があったのですが、改めて振り返ると、「家族」という、現代の中で疑いようのない形があると感じるものの有機性を、再考し提唱するような意味をもつ展示になったように思います。
28歳になり「家族」という言葉が目の前で現実味を帯びたとき、日本の現代社会の中では、自分の家族観がどこか肯定されていないような気持ちが残っていました。
今回のクラウドファンディングによって実現した展示はわたしの中にある「家族」に対する価値観のひとつの表現でした。「家族」という形は“制度”の中で成り立っているように見えるけど、わたしの中ではひとりひとりの人との間にある“心”によって生まれている関係性。それは父も母も妹さえも、それぞれの役割ではなく、人としてつながっているということ。そして家族以外の人たちとの間にも、まったく同じように幾層にも存在するもの。
時代の変化の中で社会の制度と人の心が全く一致するのは難しいけれど、今回のクラウドファンディングで実現できた展示を通して自分の心を肯定することができたその小さな光から、ひとりでも多くの人の心が肯定される世界の一助になれるよう、人生を通して「家族」について考えていきたいと改めて思っています。
誰とどこでどう生きていくのか。
この「わたしの未来家族計画」は「家族」という人との関係性を起点に、自分自身が自分と向き合い、自分の心に応えながら、これからの人生について考えていくことそのものなのだと思います。
28歳のひとりの人間として、わたしが考えていくそのプロセスを通して、支援してくださったみなさんも心から自分の人生に向き合えることを願っています。