既にパロトンとしてご協賛いただきました皆様、本当にありがとうございます。私どものプロジェクトにご賛同いただき、大変感謝しております。 403architecture [dajiba]は現在、橋の制作とヴェネチアビエンナーレ日本館への展示のために、イタリアに滞在中です。活動報告では、制作の裏側や現地での情報を公開して参ります!。※尚、詳しい完成版としての報告につきましては、ご協賛のリターンにもございます、報告書やプロジェクトブックなどで編集し、ご報告させていただきます。 5月18日、ヴェネチアの近くの街レザーナに、VETRERIARESANESE社を土田康彦さんとともに見学してまいりました! VETRERIARESANESE社といえば、最近ではアムステルダムにおけるシャネルブティックのファサードを、MVRDVとともに手がけたことで話題です。今回の「ヴェネチアの橋」の制作では透明部分のガラス制作と接着、搬入までをお願いしています。©VETRERIA RESANESEMVRDVのプロジェクトでは、既存レンガをガラス製レンガに置き換え、新旧を融合させていくという試みがなされており、幾度もの試験プロセスを経て、「多くの点において、コンクリートよりも強い」とされています。その一つの要因こそが、「ヴェネチアの橋」の施工にも利用されている高強度透明接着剤なのです。参考website: MVRDV replaces Chanel store's traditional facade with glass bricks that are "stronger than concrete" この高強度透明接着剤を利用した橋の施工は、室内に直射日光を入れず、真っ暗闇の中で行われるため、パドヴァという少し西の街にある秘密の工場で接着作業が進められました。紫外線を当ててからほんの数秒で硬化し、接着面はガラスよりも強くなるほどの精度が保持されるというものです。なんと、ガラスを思い切り叩いて割っても硬化した接着剤は剥がれません! また引張応力に弱いとされるガラスへのイメージを変えるかのごとく、3人が乗ってみても壊れないほどの強度を保持していました。 ここから橋の施工に入ります。まずは基礎部分のガラスブロックの受け面に、シリコンを流し込み、横揺れを防ぎます。 鉄製の支保工に載せていき、ガラスブロックを橋の形状に組んでいきます。この支保工は、全長3mというスケールかつ、160kgの重さに耐え、正確に支えることができるというものです。これらの透明なガラスブロックの中央列に、土田康彦さんに作っていただいた廃ヴェネチアングラスを利用したブロックが挿入されていきます。そちらは土田さんの工房のあるムラーノ島で作られています。このように、イタリアの各地で「ヴェネチアの橋」を架けるための試行錯誤がなされ、その高い技術が結集していく様を、日々目の当たりにしております。 2016_0518_Resana