「よみきかせ」との出会いが、図書館と そして子どもとの トビラを開けてくれました! 【スタッフ メッセージ②】クラウドファンディングもあと数日で1か月を迎えます。日々の皆さまからのご支援に、ラオス事務所の現地スタッフからも感謝のメッセージが届いています。今日は、そのなかから ラオス事務所のベテランスタッフ、チャンシーのメッセージを紹介します。チャンシーは、当会で一番長く働いているスタッフ。絵本の「よみきかせ」については、他のスタッフや学校の先生たち 誰もが「名人」と認める腕前です。********************* チャンシー ヴァンナポン(勤続24年)ALC図書館で、絵本のよみきかせをするチャンシーサバイディー、みなさん こんにちは。ラオス事務所スタッフの、チャンシーです。日本の皆さん、私たちのALC図書館のためにご支援下さり 本当にありがとうございます!私は、1998年からALCで勤務してきました。でも実のところ最初の頃は、子どものことがそんな好きでもなかったんです。本や図書館のことも良く知りませんでした。「なんで、子どもたちがこんなに図書館にやってくるの?どうしてそんなに本が好きなの?」って不思議に思っていたぐらいです。そんななか、絵本の「よみきかせ」の研修に、自分もお手伝いとして参加することになりました。講師の方が、よみきかせの際の方法や工夫を教えて下さって、聴いてる子どもたちがとっても楽しそうにしている様子をみて、自分が子どもだった頃、父が寝る前に私たち姉妹に昔ばなしを聴かせてくれたことを思い出しました。あの頃、父がしてくれる色んなお話がとっても楽しみでした。それが、目の前でキラキラした目で絵本の読み聞かせを聴いている子どもたちと重なりました。それからは、「お話読んで~」と図書館で絵本を手にして言ってくる子どもたちに、自分から「よみきかせ」をやってみるようになりました。「よみきかせ」は、ただ一方的に本を読んでいるのではありません。目の前の子どもたちの表情をみながら伝えていく、キャッチボールのような双方向の交流です。絵本や紙芝居をよみきかせしながら、子どもたちがどんどんお話に夢中になっていって、もっともっと聴きたい知りたい…というようになっていくのをみていると、自分と子どもたち、そして図書館との距離がグッと縮まったように感じました。今では、子どもたちによみきかせをしていないと、何だか物足りなく感じてしまうくらいです。※↑小学校での出前講座でチャンシーが『おおきなかぶ』を読み聞かせをしているときのようす(動画 クリックしてご視聴下さい)そこには、自分が想像していた仕事をはるかに超える 図書館の姿 がありました。絵本や紙芝居を通じて、子ども達は学校の授業では得ることのできない、知識や興味、ワクワクする気持ちを持つことができます。それが、子ども達が成長していくチカラになります。自分が母となり子育てをするようになって更に気づきましたが、子どもが夢中になったときに発揮するチカラは、とてつもなく大きなパワーを持っています。図書館はそういうモノに出会い、そのワクワクを育める場所なんだと思います。図書館に来た子たちと一緒にお話を読む最近、ALC図書館を訪れた3歳の男の子がいました。連れてきた叔母さんは「この子は言葉を喋らない」と言っていました。両親が仕事で忙しく、構ってあげる時間がほとんどなかったこともあったようです。はじめて訪れた図書館で、男の子は 日本の絵本『11ぴきのねこ』を見つけました。私は、お話を読んであげました。その子は、じっと食い入るように絵本を見つめていました。帰りがけ、その子はその絵本を借りていきました。それから、その子は叔母さんに連れられてまたやって来ました。叔母さんによると、このネコの絵本がとっても気にいったから、もっと読んでみたいんだと。そして、その子は『11ぴきのねこ』の別のお話を借りていきました。そうやって、その子は何度も何度もやってきて、そのたびに『11ぴきのねこ』のシリーズを借りていきました。全部のシリーズを読み終わるころには、叔母さんの手を引っ張って図書館の扉まで駆けてきました。『11ぴきのねこ』が置いてある本棚のところに飛んで行って、絵本を広げる「メォ!メォ!(ねこ!ねこ!)」と私に見せるように、指をさして言ってくれました。片言でつぶやきながら、ページをめくっていき、自分なりにストーリーをお話してくれているようでした。少し前まで、家ではほとんどしゃべらず表情も硬かったこの子が、とってもイキイキと嬉しそうに絵本を手にお話ししている様子をみて、叔母さんは目を丸くしていました。図書館では、こういうことが起こります。絵本もそして子どもも大きなチカラを持っているのです。*********************「こんな嬉しいことがあってね…」と『11ぴきのねこ』の男の子の話をしてくれたチャンシー。よみきかせだけでなく、おりがみや工作を習得して活動をしたり、授業での図書活用を先生と一緒に考えたり、現在も新たに挑戦し続け、図書館の可能性をどんどん広げていっています。子どももスタッフも ともに成長していく図書館、引き続き皆さまのご支援をお願いします!
絵本 の付いた活動報告
いつもある場所、ずっとずっと残っていてほしい場所【花岡早織さん 応援メッセージ】サバイディー、みなさん こんにちは。クラウドファンディングも5日が経過し、皆さまから続々と来る暖かい応援に、目標達成までの決意を新たにしております。昨日、そんな応援者のひとり 花岡早織さんがFacebookに素敵な投稿をして下さったので、ご紹介します!花岡さんは、2017年~2019年に青年海外協力隊でラオスに赴任し、活動中 ALC図書館を訪れて下さいました。**********************花岡 早織さん首都での活動中、本屋さんや図書館が極端に少ないこと、本に触れる機会がないことによる諸問題などに思いをめぐらせながら生活していました。そんな中 訪問したALC図書館。あの木の扉を開いたときの感動といったらなかったです。棚いっぱいに置かれた蔵書たち。学校帰りの子どもたちがフラーっと入ってきて、いつもそう、みたいな雰囲気で本を手に取り読む姿。ぜんぶぜんぶ、それまでラオスで目にしたことがない光景でした。図書館にはラオスの物語も、日本の有名な絵本の翻訳版もありました。日本の絵本を1冊手に取りぱらぱらと開いてみると、人の手によって翻訳シートが貼られていました。本が1冊、ラオス語に翻訳され、この場所に届くまで、どれだけの時間と労力がかかるか。私は帰国後にそれを知ることになり、当時はよくわかっていなかったけれど、それでも、ALCさんが長年積み上げて来られたものがあることは、ずしりと手に伝わりました。今思い返すと、あれはもっと重いものだったんだなと思います。ずっとずっと残っていてほしい場所です。微力ですが活動 心より応援しています。**********************花岡さんは、その後 地元 広島のNPO法人と当会を仲介し、核の廃絶と平和を願う絵本『おりづるの旅』をラオスに届ける立役者になってくださいました。特定非営利活動法人 ANT-Hiroshima サダコの絵本プロジェクト ブログhttps://www.ant-hiroshima.org/blog.php?hdn_cmd=__DETAIL&id=138&lang=jpALC図書館は、こうして日本の絵本やそれにかかわる日本の支援者の方々を、ラオスの子ども達と繋ぐ窓口の役割も果たしています。
子どもの頃の「ALC図書館」との出会いが、今の僕につながっています!【スタッフ メッセージ①】サバイディー、みなさん こんにちは。7月までラオス事務所で駐在をしていた渡邉です。ついに、ラオス事務所のクラウドファンディングがスタートしました!今回、クラウドファンディングに踏み切ったのは、ラオス事務所スタッフひとりひとりの図書館に対する強い「想い」があったから。財政難で「図書館の閉鎖」を迫られるなか、この図書館をどうして守りたいのか、なぜここで続けていきたいのか、現地スタッフのみんなが駐在の私に語ってくれた想いを、皆さんにお届けします。********************* ①バンロップ オンプヴィライ(勤続9年)子どもの頃、お気に入りだった絵本を見返すバンロップ僕が今ALCでこうしているのは、子どもの頃にALC図書館に出会って、絵本の面白さ、図書館の楽しさを知ったから。中学2-3年生のとき、僕の家は貧しくて 友達5、6人とメコン川沿いに落ちてる空き瓶を拾ってお金に換えていたんだ。その帰りがけに、ALC図書館があるのを見かけて(当時は、今よりもっと街中のシーホム村で活動していました)、土曜日にもう一度自分一人で訪ねてみた。そしたら、当時はまだ白黒の本が多かったけど、たくさんの絵本があって、今までそんなの見たことも触ったこともなかったから、本当に楽しくて夢のようだった。本を開くと、たちまちお話の世界に行けるからね。それからは、毎週土曜日に図書館を訪れるようになった。その時、お気に入りだった本を今でも覚えているよ。タイトルは、『どうしてフクロウはグーフクグーフクと鳴くの?』。とっても好きだったから、借りて学校に持って行って、学校の先生や友達に見せたぐらい。仲のよかったフランス語の先生とは、そうやって色んな絵本のお話をしたなぁ。子どもの頃 通っていた 前ALC図書館高校卒業後は、仕事をしながら、夜間大学で社会開発について学んだ。お酒を売る仕事をしていたのだけれど、ずっと心のなかで「子どもたちとかかわる仕事がしたい」と思っていて、ALCがスタッフ募集をしているのを聞いて、「僕のしたいことはこれだ!」ってね。今のALC図書館は、かつてのシーホム村の図書館を思い出すよ。子どもたちと一緒にいる時間は、とっても嬉しいし楽しい。ALC図書館に来る子どもたちは自分の弟や妹みたいなもの。あの子たちにも、自分が子どもの頃に体験した、図書館や絵本に触れる楽しい幸せな時間を、いっぱいいっぱい味わって、大きくなってほしい。そのためにも、この図書館は絶対になくしたくない。ロップ兄さん!今日は何するの?*********************スタッフのなかで、バンロップは、人気者のお兄ちゃん的存在。「ロップ兄さん!今日は何して遊ぶ?」ALC図書館で彼の周りには、いつも子どもたちの輪ができます(特にいたずらっ子の男子たち!)。学校図書室支援のプロジェクトで、数年前に開設した地方の学校を再訪した時には、「今日は、ロップ兄さんは来てないの?」と子どもたちから尋ねられることも。子どもたちと一緒に紙芝居や劇をしたり、ゲームや歌を詠唱したり…イキイキと活動している彼の姿をみていると、この仕事が本当に好きなんだなぁ~と感じます。子どもたちを夢中にさせるのが得意なバンロップ家では毎晩寝る前に、子どもたちに絵本の読み聞かせをしている優しいお父さんでもあるバンロップ。子どもの時にALCに出逢い、本の楽しさ、図書館の大切さを知った彼が、おとなになって、今度は自分が多くの子どもたちに、本の楽しさ・面白さを伝えています。今のALCの活動を支えてくれるラオスの人たちのなかには、彼以外にも子どもの頃ALC図書館に遊びに来ていたり、ALCの絵本に親しんでいた人たちが、実はたくさんいます。ALC図書館を拠点にして、本に出会う子どもたちが増え、その子たちが成長し、さらに次の世代につないでいく…この大切な場を守っていきたい!そんなスタッフの熱い想いをかたちにすべく、こちらの活動報告では 引き続き 彼らの声を日本の皆さまにお届けしていきます。ピー(お化け)が来るぞ~ 夏休み、電気を消して怪談ばなし