子どもの頃の「ALC図書館」との出会いが、今の僕につながっています!
【スタッフ メッセージ①】
サバイディー、みなさん こんにちは。7月までラオス事務所で駐在をしていた渡邉です。
ついに、ラオス事務所のクラウドファンディングがスタートしました!今回、クラウドファンディングに踏み切ったのは、ラオス事務所スタッフひとりひとりの図書館に対する強い「想い」があったから。財政難で「図書館の閉鎖」を迫られるなか、この図書館をどうして守りたいのか、なぜここで続けていきたいのか、現地スタッフのみんなが駐在の私に語ってくれた想いを、皆さんにお届けします。
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①バンロップ オンプヴィライ(勤続9年)
僕が今ALCでこうしているのは、子どもの頃にALC図書館に出会って、絵本の面白さ、図書館の楽しさを知ったから。中学2-3年生のとき、僕の家は貧しくて 友達5、6人とメコン川沿いに落ちてる空き瓶を拾ってお金に換えていたんだ。その帰りがけに、ALC図書館があるのを見かけて(当時は、今よりもっと街中のシーホム村で活動していました)、土曜日にもう一度自分一人で訪ねてみた。そしたら、当時はまだ白黒の本が多かったけど、たくさんの絵本があって、今までそんなの見たことも触ったこともなかったから、本当に楽しくて夢のようだった。本を開くと、たちまちお話の世界に行けるからね。
それからは、毎週土曜日に図書館を訪れるようになった。その時、お気に入りだった本を今でも覚えているよ。タイトルは、『どうしてフクロウはグーフクグーフクと鳴くの?』。とっても好きだったから、借りて学校に持って行って、学校の先生や友達に見せたぐらい。仲のよかったフランス語の先生とは、そうやって色んな絵本のお話をしたなぁ。
高校卒業後は、仕事をしながら、夜間大学で社会開発について学んだ。お酒を売る仕事をしていたのだけれど、ずっと心のなかで「子どもたちとかかわる仕事がしたい」と思っていて、ALCがスタッフ募集をしているのを聞いて、「僕のしたいことはこれだ!」ってね。
今のALC図書館は、かつてのシーホム村の図書館を思い出すよ。子どもたちと一緒にいる時間は、とっても嬉しいし楽しい。ALC図書館に来る子どもたちは自分の弟や妹みたいなもの。あの子たちにも、自分が子どもの頃に体験した、図書館や絵本に触れる楽しい幸せな時間を、いっぱいいっぱい味わって、大きくなってほしい。そのためにも、この図書館は絶対になくしたくない。
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スタッフのなかで、バンロップは、人気者のお兄ちゃん的存在。「ロップ兄さん!今日は何して遊ぶ?」ALC図書館で彼の周りには、いつも子どもたちの輪ができます(特にいたずらっ子の男子たち!)。学校図書室支援のプロジェクトで、数年前に開設した地方の学校を再訪した時には、「今日は、ロップ兄さんは来てないの?」と子どもたちから尋ねられることも。
子どもたちと一緒に紙芝居や劇をしたり、ゲームや歌を詠唱したり…イキイキと活動している彼の姿をみていると、この仕事が本当に好きなんだなぁ~と感じます。
家では毎晩寝る前に、子どもたちに絵本の読み聞かせをしている優しいお父さんでもあるバンロップ。子どもの時にALCに出逢い、本の楽しさ、図書館の大切さを知った彼が、おとなになって、今度は自分が多くの子どもたちに、本の楽しさ・面白さを伝えています。今のALCの活動を支えてくれるラオスの人たちのなかには、彼以外にも子どもの頃ALC図書館に遊びに来ていたり、ALCの絵本に親しんでいた人たちが、実はたくさんいます。
ALC図書館を拠点にして、本に出会う子どもたちが増え、その子たちが成長し、さらに次の世代につないでいく…この大切な場を守っていきたい!そんなスタッフの熱い想いをかたちにすべく、こちらの活動報告では 引き続き 彼らの声を日本の皆さまにお届けしていきます。